ラテン語の世界 その37 空港の碑文(文明の基礎)

まだかじりだしたばかりだが、ラテン語を先にかじる場合、感想を一言でいえば、「分かりやすい!」。イタリア語は、ラテン語の”歴史的方言”なのだから。
そもそも、イタリア語は、日本語話者にとって、聴きやすく、話しやすいヨーロッパ言語の一つなのだろう。
ついでにいえば、名古屋弁の話者なら、一脈通じるものもある。
確かに、特有の読み方があるが、煩雑ではない。ローマ字の応用みたいなものだ。
ラテン語と比較してみると、
1 文法性、すなわち女性、男性、中性が、イタリア語では、女性、男性に簡略化されている。2 格変化も簡略化
3 ただし、ラテン語にはない冠詞が加わっている。
これが千数百年後の未来言語なのか、と感動。
古代から現代を感じるなんて贅沢な楽しみでもある。
先生は、スラブ系の言語がご専門のようだが、日経夕刊の”プロムナード”の記事(8/22)でラテン語について書いている。
パスポート申請所の近くの書店は、外国語コーナーが充実しているわけだが、そこでラテン語参考書を立ち読みしている人を見かけた話。
最初は、おかしく感じたけれど、それもいいかも、と思い直したってオチだ。
ぼくも、思うに、ヨーロッパ旅行で、もうひと堀深く観たい、と感じるなら、ラテン語が役立つと思う。
そもそも、ヨーロッパ系の言語なら、大なり小なり関係があり、見知らぬ言葉でも推測がついたりする。
それに、歴史的建造物などに、とりわけ深い意味で彫り込まれた言葉は大概ラテン語だ。
そういえば、羽田空港のターミナルビルだったと思うけど、ラテン語の碑文を見たことがある。
この意味を何となく憶えている。「旅立つものに安全を、訪れる者に○○を」とか、なんとか。
これ、カッコイイと思いませんか?
帰宅したら、うちの娘が喜んでいる。「奥歯がやっとぬけたよー」
歯が生え換わることは、めでたいことだ。
で、「綺麗にしてあげたい」と、娘が抜けた歯を歯ブラシで洗い始めた。
「じゃ、特別な言葉で感謝の気持ちを言ってみよう」
てなわけで、ラテン語。
「Dens,Gratiam habeo!/歯よ、ありがとう!」復唱させる。
*直訳では、「歯よ、私は感謝を持つ」の意味。
「じゃ、問題。英語で歯医者さんはなーんだ?」
「歯だから、teethなんとか?」
(いい発想だ)
「いや、dentistだよ、densからできた言葉なんだ」
(dens/歯→dentis/歯の、とラテン語は変化する)
「なんで、ラテン語?」
「英語でも、特別な意味を表現する場合、ラテン語が基礎のことが多いんだ」
「ふーん、でも、この”ありがとう”は、サンキューに似てないね」
「英語ではそうだけど、スペイン語なら、gracias。Gratiamに似てるだろ。ついでにこの言葉も憶えておこう」
「ところで、habeoは、英語ならhaveだよ」
(解説)
ラテン語は、マニアックな世界と思われがちだけれど、ヨーロッパの言語の基盤に生きている。この世界に通じると、ヨーロッパ系の言語全般にその理解のセンスを磨くことができる。
1月18日、新聞で知った事件につきこのブログ的に書く。
事の詳細は省略。
エンブレムには、崇高なモットーをできればラテン語で書くことが習わし。
一方、生活保護を適正に審査し、支給することは崇高な仕事だ。感情に流されず、脅しに屈せず、やり遂げなければならないつらい仕事でもある。
なので、
保護なめんな(原文ローマ字)、SHAT悪×、とか、エンブレムに使っては不適切である。
でも、気持ちは理解できる。
そこで、僕なりにラテン語でふさわしいモットーを考えてみた。
NOS CEDAMUS SINCERITATI
NON CEDAMUS MALO
(読み)
ノース ケーダムス シンケーリターティー
ノーン ケーダムス マロ
(訳)
我ら誠を通し、悪を通さず
(配慮点)
ノースは私たち、ノーンは否定の意味。これを語頭に配置し、韻を踏んでます。
PS 小田原市担当者の皆さま、このようなことがあったとはいえ、悪意に屈することなく、本当に必要な人たちのためにも、生活保護の本義を貫いてください。
スーパーグローバル大学とは、文科省が指定する大学で、特段に外国人教員を招聘し、もったいぶって英語で講義を行い、外国人留学生をやたらに呼び寄せ、その為に税金をつぎ込む大学のことである。
Super Global University、略してSGV、だぁー!と文科省は当初考えたが、すでにとある大学がSGVで商標登録をしていたので、あわてて撤回したそうだ。残念!!印刷費の無駄となった。
ところで、globalって英語はあるとしても、super globalという表現はそもそも英語にはない。なぜか?
それは、語源的におかしいのであろう。
ラテン語の、globusは、”球”の意味である。ここから地球がイメージされ、英語のglobal/全世界の、国際的な、地球規模の、という意味が派生した。
super(これはそのままラテン語でもあるが)、をつけたら地球を越えてしまうわけ。
Super Global Universityは、銀河連邦の大学なのか?地球外生命体が教員や学生になるのか?って話である。
なわけないので、これは、心の問題である。
文科省的には、国際化では、いまさらインパクトないから、カタカナ(英語)にしよう、グローバルだ、いや、並みの大学でも、グローバルとかやたらに言ってるし、気合を込めてスーパーを付けよう。
こんな感じだろう。
でも、これって何かに似ている。
そうだ、アニメの戦隊ものの必殺技もこんな感じだ。
プリキュア・マーブル・スクリュー!→撃破
でも、だんだん強い敵が出てくると利かなくなる。
なので、プリキュア・マーブル・スクリュー・マックス・スパーク!!!
これでボスキャラを撃破できる。
こういった和製英語は、海外のアニメファンに受けがいいそうだ。
海外留学生来るかも!
、、、、話を戻そう。
日本の大学教育の偉大だったことは、最初は外国人教員で外国語の講義をしていたけれど、これを自国の文化として消化できたことだ。
今、普通に使っている日本語も、先人の努力によって、外国語の意味の本質から翻訳されたものが実に多い。こうして高度な自国の学問体系ができたのだ。自国の言葉で学問が語れることはグローバル基準で特筆すべきことである。それができるためには、物事の本質をつかむ態度が必要であり、これぞ学問である。
余談だが、東京6大学とは、この名誉を受け継ぐ一群の大学のことなのである(特に法学分野)。次世代の大学の筆頭は日本大学であるが、この”日本”には、日本独自の学問の自律性の意味合いがある。
という経緯なのだが、21世紀の大学の方向性は、スーパー戦隊ゴッコ?
試しに、ラテン語を活用してファンタジーの核、すなわち世界観を創作してみよう。ここからPRGや小説になったらおもしろい。
まず古代の魔術的四大元素を考える。
地、水、火、風(空気)をラテン語で置き換えてみる。前は通常の名詞、主格形で後のラテン語は名詞の属格形と呼ばれるもので、”~の”、意味になる。この属格をおさえると応用がきく。
地/Terra,Terrae
水/Aqua,Aquae
火/Ignis,Ignis(どちらも同じ)
空気/Aer(アーエール)、Aeris(アーエリス)
これを主要なキャラクターに関連づけてみたらどうかな。すでにありそうだけど。
お話の一部を造ってみる。登場は大魔導師とその弟子、Spica(穂の意味)とValentia(力や勇気の意味)である。
スピーカはヒーラー系、ワァレンティア(ヴァレンティア:英語読み)は、戦士系を想定。
(魔)汝ら、よくぞここまで修行を達成した。よってこれからは自らの道を歩むがよい。ただし、汝らのほか、あと二人の若者が加わってこそ本来の力が発揮されることを忘れるでないぞ。
(二人)はい、お師匠さま。
(魔)では、Spicaよ。癒しの娘よ。汝は、大地の守護霊(Genius Terrae)の力を多く宿しておるな。よって、真の名をSpica terrae とするがよい。
*Geniusには、守り神、才能の意味がある。つまり、この言葉本来に、人の才能は守護霊みたいなものに由来している、という意味合いがある。
Valentiaよ。猛々しい息子よ。汝には、火の守護神(Genius Ignis)の加護があろう。よって、真の名を、Valentia Ignis とするがよい。
*Valentiaが英語に取り入れられ、Valiant/勝ち目のない戦いに挑む英雄性、断固とした、の意味となっている。
さあ、旅立つのじゃ!
、、、、、、、とかなんとか、このお話の続きをだれか造ってくれないかな。
ラテン語のような古代語には、(時には神秘な)歴史的深みがあるので、心ある人はファンタジー創作に是非活用してもらいたい。ハリー・ポッターを書いたJ.K。ローリングもその中でラテン語を効果的に活用している。この人はもともと語学系の人なんだ。
ブリタニア、つまりイギリスのことだが、古代ローマ人のイメージでは、かろうじて文明の届いている辺境だろう。
だから、ハドリアヌス帝は、城壁をその北部、すなわちスコットランドとの境界近くに築き、ケルト人の侵入に備える必要があった。
イギリスとは、本来、ヨーロッパの野蛮な辺境の地である。古代ローマ人なら、ここに大英帝国の拠点ができるなんて、全く想像できなかったはずだ。
しかし、できた。この地の土人(土着の人々の意味)は、実にギリシャ・ローマの古典を学ぶことに熱心だったが(当然にその言語も)、それは優れた指導者を素質造りに有益だったのだろう。
これは、古典学習と明治維新の関連にも通じるものがある。
が、時代は移り、古典語が軽んじられ、英語が世界共通語?となった。我が国でも、英語ができれば文明人、みたいなことになっている(植民地かょ!)。
そして、21世紀。
歓声とともに、Brexit(イギリスのEU離脱)がなされ、その声は数日で、Bregret(イギリスの後悔)に声変わりしている。
では、ここでEuropa/エウローパさんにインタビューをしてみよう(原文は、ラテン語と古典ギリシャ語)。
「思い上がっちゃだめ!ほらーいわんこっちゃない!あなたたちも、大陸の子どもたちとおなじ私の子どもなのよ。子どもたちが、みな手をあわせて繁栄してくれることを私は望むわ」
では、エウローパさんの略歴ですが、元はギリシャ神話上の王女です。また、後にはヨーロッパそのものでもあります(ラテン語辞書参照)。
おや、まだ言いたいことがあるそうです。
「Scotia(スコットランド)と北部Hibernia(アイルランド)の子どもたちへ、あなたたちの分別を私は讃えます」。