ラテン語

ラテン語の世界 その40 愛の形、AmorとCaritas

どちらも「愛」と訳され得るけれど、amorは色っぽい要素も含む。情事という訳もある。一方、caritasは、慈愛と解するするべき。
宗教的表現では、隣人愛となる。これらの語の形は、現代語にも受け継がれている。
イタリア語の、amoreとcarità。これは、意味的にもよく継承されている。
スペイン語の、amorとcaridad。
フランス語の、amour。
英語の、charityなど。
ついでに、長い余談。
caritasは、日本の私立学校の名前にもなっている。
見学する機会があったので、気が付いたことを述べておこう。
入口のシンボルツリーは、立派な桂(かつら)であった。
なぜ?と見ていたら学校の人が教えてくれた。
葉の形が、ハートだから。なるほど、分かりやすい!
ハートは、Forma Caritatis=愛の形だ。
理科エリアには、大きな水槽があって、近くの多摩川の生き物たちがいる。
鉢植の植物も元気であった。慈愛があるね。
図書館の蔵書は、フランス語関連が充実している。
これもよし。けど、ラテン語関連は見当たらなかった。
校名がラテン語なのに、これはちょっと残念。
このブログ的には、
”ラテン語で、始めてみようグローバル”。

ラテン語の世界 その39 モネータ 女神の警告

「モネータ 女神の警告」とは、日経の連載記事の題名である。
そこで、語源的に深堀りしてみた。
辞書で確認した情報をつなぎ合わせてみよう。
ローマ神話の最高神は、Juppiter/ユピテル(ジュピターは英語読み)。
その妻は、女神、Juno/ユーノー
これは推測だが、ユーノーの神様としての特性(ご利益)は、
警告する、予告するであったのだろう。
この意味のラテン語の動詞として、moneoがある。
そこで、彼女の別名は、Moneta。
なので、Juno Moneta とも称せられる。
この神様の神殿で、なぜか!?、貨幣の鋳造が併設された。
そこで、ラテン語のmonetaは、貨幣の意味になった(と思う)。
この言葉、素直に、英語のマネーにつながっている。
お金=money、今ではそれだけのことなのだが、その背景は意味深長。
ところで、あのリーマンショックから数年経った。
そろそろ、また何か起きるころじゃないか、、、。
日本の神社で、お金儲けに関わるご利益コンテンツはいろいろあるけれど、お金についての警告をしてくれる神社は聞いたことがない。
お金は儲ける、貯めるだけでなく、守る気遣いも必要と考えよう。
そもそも、お金の価値は、社会の仕組みが作っている。

ラテン語の世界 その38 バスの語源

なぜ、バス(自動車のbus)は、バスなのか?
これも、ラテン語の問題になる。ローマ帝国にバスは走っていなかったので、直接ではないけれど。
omunia、この言葉、万物、全ての人の意味なのだが、ラテン語の場合変化形が多様なので、この言葉だけでも、20パターンの活用形(重複あり)がある。
その一つが、omnibus(オムニブス)、英語なまりであるとオムニバスと発音される。omnibusは、全てのもの(者)に、って意味だ。
オムニバスは、CDとか全作品を編集したものの意味として使われるが、全ての、の意味がつながっている。
で、バスってつまり、この言葉の最後のbusが残ったものなのだ。たしかに、公共交通機関であるバスはそうでなくてはならない。
乗合バスとかで、運転手の方が、車椅子の乗客を援助する様子は、この言葉に即している。バス会社の経営理念もそうであるべきである。
しかし、語尾の三文字が残ってバス、とはホントか?という疑念もあるだろう。
と、僕も少し感じていたが、最近、こんな言葉を発見した。
omnibus=乗合自動車、バス、これはスペイン語である。
ただし、スペイン語といっても、通常は、autobusがバスの意味で使われる。omnibusは中南米の地域限定の表現である。
推測であるけれど、スペイン本土から遠く離れているので、古風な表現が残り得たのではないかな?
以上、マニアックな話なのだけど、語源をたどると時代を超えた重要な意味があるということ、この例でいえば、乗合バスの公共性に行きつく。これが伝えたいことなのだ。

ラテン語の世界 その37 空港の碑文(文明の基礎)

ラテン語を一言でたとえるなら、「文明のプログラム言語」の一つ。
たとえば、空港は重要な社会インフラだが、羽田空港には、ラテン語で碑文が埋め込まれている。
2
来る者たちに平和を
去る者にたちに安全を、とある。
ほとんどの旅行者は、気づかないだろうが、ラテン語ならではの強力な祈りの呪力を感じる。
 

日本語の国際性について その1 彼と彼女

彼も彼女も、今ではごく普通に使われる日本語だ。でも、男女が含まれる複数を表現する場合、、、、彼らになるのか?
まあ、そうかもしれないけれど、この場合女性に配慮していないようで、一瞬とまどうかも。文法上の裏付けもないと思う。
そもそも、日本語は単数、複数の違いに無頓着だ。
ざくっといえば、性別は分法的に意識されていない。そもそもそういう言語である。
 
この点、ヨーロッパの言葉ははっきりしている。
英語の場合、退化がはなはだしいため、he,sheとか人称名詞の別くらいだが、ラテン語には、文法性として男性、女性のほか中性もある。
ラテン語から派生した言語、イタリア語、フランス語、スペイン語などの文法性は、男性、女性で、中性は消失してしまっている。
とはいえ、性別はがっちり文法に組み込まれている。
 
たとえば、フランス語の場合、
私は心配だ、という意味を言うなら、、、
Je suis inquiet.(男性がいう場合)
Je suis inquietéte.(女性の場合)
てな具合に、たとえ一人称の場合でさえ、主語の性別を想定しなければならない。
 
思うのだけど、彼、彼女は、本来の日本語ではないのだろう。
少なくとも、江戸期以前の通常の会話、文章には表れないはずだ。
僕は、これらの言葉は、明治以降、ヨーロッパの言語を翻訳するうえで、考案された言葉だと推測する。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ラテン語の世界 その36 liber(リーベル)/自由な

リベラルって言葉は、政治の立場であったり、リベラルアーツとして、大学の教育に関わる言葉としても使われている。
当然、ラテン語からの派生である。
libertas/自由、liber/自由な、libere/自由人にふさわしく、libro/自由にするなど関連語句は実に豊富だ。
こんなものもある。
libertus、liberta これは、解放奴隷の男女の意味。
つまり、奴隷制社会を前提に、これらの言葉が使われていたことを考慮しなくてはならない。
それは、遠い古代社会のことだろうか?
 
アメリカ合衆国が、その建国に際し、古代ローマを意識していたことはよく知られている。
そのとき、奴隷制も継承していたことは歴史的事実であり、リンカーンが奴隷解放宣言をしたのは、1862年、まだ200年にも満たない近代史のできごとである。
日本としては他人事だろうか?
高度な教育を受けた人が、過酷な労働環境の中で追い詰められて行き、うつ病発症や自殺に至る例が実に多いのではないだろうか?
高度な教育って古代ローマなら自由人の典型であるはず。今時の大学って、リベラルアーツがウリのはずだけど。
大元の語源をよく考えてみよう。
 
 

ラテン語の世界 その35 イタリア語

まだかじりだしたばかりだが、ラテン語を先にかじる場合、感想を一言でいえば、「分かりやすい!」。イタリア語は、ラテン語の”歴史的方言”なのだから。
そもそも、イタリア語は、日本語話者にとって、聴きやすく、話しやすいヨーロッパ言語の一つなのだろう。
ついでにいえば、名古屋弁の話者なら、一脈通じるものもある。
確かに、特有の読み方があるが、煩雑ではない。ローマ字の応用みたいなものだ。

ラテン語と比較してみると、
1 文法性、すなわち女性、男性、中性が、イタリア語では、女性、男性に簡略化されている。2 格変化も簡略化
3 ただし、ラテン語にはない冠詞が加わっている。

これが千数百年後の未来言語なのか、と感動。
古代から現代を感じるなんて贅沢な楽しみでもある。


ラテン語の世界 その34 黒田龍之助先生

先生は、スラブ系の言語がご専門のようだが、日経夕刊の”プロムナード”の記事(8/22)でラテン語について書いている。

パスポート申請所の近くの書店は、外国語コーナーが充実しているわけだが、そこでラテン語参考書を立ち読みしている人を見かけた話。

最初は、おかしく感じたけれど、それもいいかも、と思い直したってオチだ。

ぼくも、思うに、ヨーロッパ旅行で、もうひと堀深く観たい、と感じるなら、ラテン語が役立つと思う。

そもそも、ヨーロッパ系の言語なら、大なり小なり関係があり、見知らぬ言葉でも推測がついたりする。

それに、歴史的建造物などに、とりわけ深い意味で彫り込まれた言葉は大概ラテン語だ。

そういえば、羽田空港のターミナルビルだったと思うけど、ラテン語の碑文を見たことがある。

この意味を何となく憶えている。「旅立つものに安全を、訪れる者に○○を」とか、なんとか。

これ、カッコイイと思いませんか?

ラテン語の世界 その33 日常の中で、歯と歯科医

帰宅したら、うちの娘が喜んでいる。「奥歯がやっとぬけたよー」

歯が生え換わることは、めでたいことだ。

で、「綺麗にしてあげたい」と、娘が抜けた歯を歯ブラシで洗い始めた。

「じゃ、特別な言葉で感謝の気持ちを言ってみよう」

てなわけで、ラテン語。

「Dens,Gratiam habeo!/歯よ、ありがとう!」復唱させる。

*直訳では、「歯よ、私は感謝を持つ」の意味。

「じゃ、問題。英語で歯医者さんはなーんだ?」

「歯だから、teethなんとか?」

(いい発想だ)

「いや、dentistだよ、densからできた言葉なんだ」

(dens/歯→dentis/歯の、とラテン語は変化する)

「なんで、ラテン語?」

「英語でも、特別な意味を表現する場合、ラテン語が基礎のことが多いんだ」

「ふーん、でも、この”ありがとう”は、サンキューに似てないね」

「英語ではそうだけど、スペイン語なら、gracias。Gratiamに似てるだろ。ついでにこの言葉も憶えておこう」

「ところで、habeoは、英語ならhaveだよ」

(解説)

ラテン語は、マニアックな世界と思われがちだけれど、ヨーロッパの言語の基盤に生きている。この世界に通じると、ヨーロッパ系の言語全般にその理解のセンスを磨くことができる。

ラテン語の世界 その32 エンブレムの言葉(小田原生活保護事件)

1月18日、新聞で知った事件につきこのブログ的に書く。

事の詳細は省略。

エンブレムには、崇高なモットーをできればラテン語で書くことが習わし。

一方、生活保護を適正に審査し、支給することは崇高な仕事だ。感情に流されず、脅しに屈せず、やり遂げなければならないつらい仕事でもある。

なので、

保護なめんな(原文ローマ字)、SHAT悪×、とか、エンブレムに使っては不適切である。

でも、気持ちは理解できる。

そこで、僕なりにラテン語でふさわしいモットーを考えてみた。

NOS CEDAMUS SINCERITATI

NON CEDAMUS MALO

(読み)

ノース ケーダムス シンケーリターティー

ノーン ケーダムス マロ

(訳)

我ら誠を通し、悪を通さず

(配慮点)

ノースは私たち、ノーンは否定の意味。これを語頭に配置し、韻を踏んでます。

PS 小田原市担当者の皆さま、このようなことがあったとはいえ、悪意に屈することなく、本当に必要な人たちのためにも、生活保護の本義を貫いてください。

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