ラテン語

ラテン語の世界 その33 日常の中で、歯と歯科医

帰宅したら、うちの娘が喜んでいる。「奥歯がやっとぬけたよー」

歯が生え換わることは、めでたいことだ。

で、「綺麗にしてあげたい」と、娘が抜けた歯を歯ブラシで洗い始めた。

「じゃ、特別な言葉で感謝の気持ちを言ってみよう」

てなわけで、ラテン語。

「Dens,Gratiam habeo!/歯よ、ありがとう!」復唱させる。

*直訳では、「歯よ、私は感謝を持つ」の意味。

「じゃ、問題。英語で歯医者さんはなーんだ?」

「歯だから、teethなんとか?」

(いい発想だ)

「いや、dentistだよ、densからできた言葉なんだ」

(dens/歯→dentis/歯の、とラテン語は変化する)

「なんで、ラテン語?」

「英語でも、特別な意味を表現する場合、ラテン語が基礎のことが多いんだ」

「ふーん、でも、この”ありがとう”は、サンキューに似てないね」

「英語ではそうだけど、スペイン語なら、gracias。Gratiamに似てるだろ。ついでにこの言葉も憶えておこう」

「ところで、habeoは、英語ならhaveだよ」

(解説)

ラテン語は、マニアックな世界と思われがちだけれど、ヨーロッパの言語の基盤に生きている。この世界に通じると、ヨーロッパ系の言語全般にその理解のセンスを磨くことができる。

ラテン語の世界 その32 エンブレムの言葉(小田原生活保護事件)

1月18日、新聞で知った事件につきこのブログ的に書く。

事の詳細は省略。

エンブレムには、崇高なモットーをできればラテン語で書くことが習わし。

一方、生活保護を適正に審査し、支給することは崇高な仕事だ。感情に流されず、脅しに屈せず、やり遂げなければならないつらい仕事でもある。

なので、

保護なめんな(原文ローマ字)、SHAT悪×、とか、エンブレムに使っては不適切である。

でも、気持ちは理解できる。

そこで、僕なりにラテン語でふさわしいモットーを考えてみた。

NOS CEDAMUS SINCERITATI

NON CEDAMUS MALO

(読み)

ノース ケーダムス シンケーリターティー

ノーン ケーダムス マロ

(訳)

我ら誠を通し、悪を通さず

(配慮点)

ノースは私たち、ノーンは否定の意味。これを語頭に配置し、韻を踏んでます。

PS 小田原市担当者の皆さま、このようなことがあったとはいえ、悪意に屈することなく、本当に必要な人たちのためにも、生活保護の本義を貫いてください。

ラテン語の世界 その32 スーパーグローバル大学構想

スーパーグローバル大学とは、文科省が指定する大学で、特段に外国人教員を招聘し、もったいぶって英語で講義を行い、外国人留学生をやたらに呼び寄せ、その為に税金をつぎ込む大学のことである。

Super Global University、略してSGV、だぁー!と文科省は当初考えたが、すでにとある大学がSGVで商標登録をしていたので、あわてて撤回したそうだ。残念!!印刷費の無駄となった。

ところで、globalって英語はあるとしても、super globalという表現はそもそも英語にはない。なぜか?

それは、語源的におかしいのであろう。

ラテン語の、globusは、”球”の意味である。ここから地球がイメージされ、英語のglobal/全世界の、国際的な、地球規模の、という意味が派生した。

super(これはそのままラテン語でもあるが)、をつけたら地球を越えてしまうわけ。

Super Global Universityは、銀河連邦の大学なのか?地球外生命体が教員や学生になるのか?って話である。

なわけないので、これは、心の問題である。

文科省的には、国際化では、いまさらインパクトないから、カタカナ(英語)にしよう、グローバルだ、いや、並みの大学でも、グローバルとかやたらに言ってるし、気合を込めてスーパーを付けよう。

こんな感じだろう。

でも、これって何かに似ている。

そうだ、アニメの戦隊ものの必殺技もこんな感じだ。

プリキュア・マーブル・スクリュー!→撃破

でも、だんだん強い敵が出てくると利かなくなる。

なので、プリキュア・マーブル・スクリュー・マックス・スパーク!!!

これでボスキャラを撃破できる。

こういった和製英語は、海外のアニメファンに受けがいいそうだ。

海外留学生来るかも!

、、、、話を戻そう。

日本の大学教育の偉大だったことは、最初は外国人教員で外国語の講義をしていたけれど、これを自国の文化として消化できたことだ。

今、普通に使っている日本語も、先人の努力によって、外国語の意味の本質から翻訳されたものが実に多い。こうして高度な自国の学問体系ができたのだ。自国の言葉で学問が語れることはグローバル基準で特筆すべきことである。それができるためには、物事の本質をつかむ態度が必要であり、これぞ学問である。

余談だが、東京6大学とは、この名誉を受け継ぐ一群の大学のことなのである(特に法学分野)。次世代の大学の筆頭は日本大学であるが、この”日本”には、日本独自の学問の自律性の意味合いがある。

という経緯なのだが、21世紀の大学の方向性は、スーパー戦隊ゴッコ?

ラテン語の世界 その31 ファンタジーの創作

試しに、ラテン語を活用してファンタジーの核、すなわち世界観を創作してみよう。ここからPRGや小説になったらおもしろい。

まず古代の魔術的四大元素を考える。

地、水、火、風(空気)をラテン語で置き換えてみる。前は通常の名詞、主格形で後のラテン語は名詞の属格形と呼ばれるもので、”~の”、意味になる。この属格をおさえると応用がきく。

地/Terra,Terrae

水/Aqua,Aquae

火/Ignis,Ignis(どちらも同じ)

空気/Aer(アーエール)、Aeris(アーエリス)

これを主要なキャラクターに関連づけてみたらどうかな。すでにありそうだけど。

お話の一部を造ってみる。登場は大魔導師とその弟子、Spica(穂の意味)とValentia(力や勇気の意味)である。

スピーカはヒーラー系、ワァレンティア(ヴァレンティア:英語読み)は、戦士系を想定。

(魔)汝ら、よくぞここまで修行を達成した。よってこれからは自らの道を歩むがよい。ただし、汝らのほか、あと二人の若者が加わってこそ本来の力が発揮されることを忘れるでないぞ。

(二人)はい、お師匠さま。

(魔)では、Spicaよ。癒しの娘よ。汝は、大地の守護霊(Genius Terrae)の力を多く宿しておるな。よって、真の名をSpica terrae とするがよい。

*Geniusには、守り神、才能の意味がある。つまり、この言葉本来に、人の才能は守護霊みたいなものに由来している、という意味合いがある。

Valentiaよ。猛々しい息子よ。汝には、火の守護神(Genius Ignis)の加護があろう。よって、真の名を、Valentia Ignis とするがよい。

*Valentiaが英語に取り入れられ、Valiant/勝ち目のない戦いに挑む英雄性、断固とした、の意味となっている。

さあ、旅立つのじゃ!

、、、、、、、とかなんとか、このお話の続きをだれか造ってくれないかな。

ラテン語のような古代語には、(時には神秘な)歴史的深みがあるので、心ある人はファンタジー創作に是非活用してもらいたい。ハリー・ポッターを書いたJ.K。ローリングもその中でラテン語を効果的に活用している。この人はもともと語学系の人なんだ。

ラテン語の世界 その30 Britannia/イギリスの凋落

ブリタニア、つまりイギリスのことだが、古代ローマ人のイメージでは、かろうじて文明の届いている辺境だろう。

だから、ハドリアヌス帝は、城壁をその北部、すなわちスコットランドとの境界近くに築き、ケルト人の侵入に備える必要があった。

イギリスとは、本来、ヨーロッパの野蛮な辺境の地である。古代ローマ人なら、ここに大英帝国の拠点ができるなんて、全く想像できなかったはずだ。

しかし、できた。この地の土人(土着の人々の意味)は、実にギリシャ・ローマの古典を学ぶことに熱心だったが(当然にその言語も)、それは優れた指導者を素質造りに有益だったのだろう。

これは、古典学習と明治維新の関連にも通じるものがある。

が、時代は移り、古典語が軽んじられ、英語が世界共通語?となった。我が国でも、英語ができれば文明人、みたいなことになっている(植民地かょ!)。

そして、21世紀。

歓声とともに、Brexit(イギリスのEU離脱)がなされ、その声は数日で、Bregret(イギリスの後悔)に声変わりしている。

では、ここでEuropa/エウローパさんにインタビューをしてみよう(原文は、ラテン語と古典ギリシャ語)。

「思い上がっちゃだめ!ほらーいわんこっちゃない!あなたたちも、大陸の子どもたちとおなじ私の子どもなのよ。子どもたちが、みな手をあわせて繁栄してくれることを私は望むわ」

では、エウローパさんの略歴ですが、元はギリシャ神話上の王女です。また、後にはヨーロッパそのものでもあります(ラテン語辞書参照)。

おや、まだ言いたいことがあるそうです。

「Scotia(スコットランド)と北部Hibernia(アイルランド)の子どもたちへ、あなたたちの分別を私は讃えます」。

ラテン語で日本の人名を考える その1 ルナとレオ

レオくんとかルナさんは、最近の子どもの名前にもなっている。特段ラテン語を意識しないで、子どもに名付けていると思う。

ところが、英語由来のライオンくんやムーンさんは、聞いたことがない。

ラテン語で、レオ、Leoは、ライオンのことだし、ルナ、Luna(ルーナ)は、月の意味だ。英語圏でも、レオさんはいる。欧州の類型として、レオナルドとかもある。

ラテン語の名詞は、女性、男性、中性があるけれども、Leoは男性名詞、Lunaは女性名詞、これも都合がいい。

では、うちの娘に、ライオンみたいな強い名前を付けたい。と、考えたらどうするか?

ズバリあるんです。これが。

Lea(レア)=雌ライオン、当然、女性名詞。

ギリシャの女性名ではあるらしい(ラテン語の辞書に記載あり)。

僕は当て字的なことはあまり好きではないけれど、漢字なら麗亜、とかになるのだろう。

ルーナ・ラブグッド/Luna Lovegood は、ハリポタのキャラクターなのだが、妖しい変わり者(だが愛すべき!)、として描かれている。

そもそも、ヨーロッパの文化では、月には、妖しい意味合いがある。これは、わきまえておきたい。

その点、日本の伝統では、美意識の中核みたいなものだ。月見の習慣だってある。

オマケの似たような話で、日本の人名に、竜、龍を使う場合がある。

竜は、ラテン語で、Draco(ドラコ)、それに、蛇の意味もある。これは日本の人名には難しいだろう。まさか、弩楽子とか、、。

なんたってハリポタの悪役の名前としてもよく知られている。

ラテン語の世界 その29 Dum Spiro Spero、命と希望

Dum Spiro Spero /ドゥム スピーロー スペーロー

国際性を掲げる私立小学校の広告に、この言葉をモットーとしたエンブレムがあったので書く。

それっぽく、訳せば、”命ある限り希望がある”。むしろ、ホスピス向きかな。

限界状況にある人を励ますような意味だ。

直訳では、

私が息をする間、私は希望を持つ。

内訳は、

Dum/~の間(接続詞)、Spiro/息をする(動詞)、Spero/希望を持つ(動詞)

主語はどこにもないけれど、動詞の変化形で、一人称=私が主語と決まる。

日本語のように、主語をあいまいにできない。

この表現は、良く知られたもののようだけれど、文法的に簡単な応用をしてみよう。

たとえば、私→私たち、貴方とか換えるにはどうしたらいいか?

①Spiro、Speroは、一人称現在なので、幸い、辞書にそのまま記載されている。

②辞書を引くと動詞の「不定形」を突きとめることができる。

③不定形を突きとめると、どんな変化パターンの動詞なのか判明する。

④特定の変化パターンに従ってその語を変化させる。

謎解きみたいな手続だが、これがラテン語の世界。現在形ならこれで済むけど、過去形が三種類あったりするので実に複雑。でも、その変化形は美しいほどに整然としている。

Dum Spiras Speras/貴方に命ある限り、貴方は希望を持てる(希望を失ってはならない)。

二人称型でかっこよく決めるとこんな感じかな。

ところで、辞書を引くって義務教育で学ぶよい習慣なんだ。

Spiro/息をする、Spero/希望を持つを引けば、同じ言葉の別な意味に出会うこともあれば、呼吸や希望といった名詞にも出会うことができる。

Spiroには、霊感を受ける、詩を作るの意味もある。これは、興味深い世界観を想定させるものだ。

名詞としてSpiritus(スピーリィトゥス)/呼吸は、命や精神の意味もある。

それは英語のSpirit、Spiritual の明らかな語源と分かる。

 

小学生とラテン語 その1 Sol(太陽)とLuna(月)

うちの子が学校で、漢字として日、と月を学んできた。そこで、復習と応用を教える。

日と月から、「明」も、太陽(日)と月だったら明るいよね。

英語としてサン、ムーンは知ってるが、綴りは知らないのでついでに

「Sun」、「Moon」の綴りも教える。が、スン?モーン?ローマ字的に覚えにくい。

そして、これでは?と、ラテン語の出番。「Sol」「Luna」、なんとか読めるので子どもは喜ぶ。

「ラテン語って簡単!」

そうだよ、だいたいローマ字読みだから。

いまどき、ローマ字としてアルファベット表記が読めることは、かなり有用だ。子どもにとって”意味的に見える世界”が広がる。

子どもの英語教育、それは確かに大切だろうけど、英語とは印欧語の特殊な地方語である。なので、印欧語としてより根源的なラテン語も学ぶことも重要と考えている。

それがどのように発揮されるか、このシリーズでご紹介してみたい。

ラテン語の世界 その28 分かりやすい入門書

「ラテン語のしくみ」小倉博行著 白水社

最近読みだした本だが、「ラテン語の世界」を、分かりやすく見通すことができる点で、卓越した構成となっている。

146ページのコンパクトな本だが、読み方、アクセントに始まり、日常の使い方に即す形で文法構造が見えてくる。

軽い、しかし古典の深みはラテン語ならではだ。日常場面で、さらりと使ってみたくなる。

たとえば、「このデザートもっと食べてみたいけど、甘いもの食べ過ぎはヤバイかも?」

この気持ちを、

”Appetitus Rationi Obediant”/アッペティートゥース ラティオーニー オベーディアント

(訳) 欲望が理性に従いますように 

と、心の中でつぶやけば、もっと抑制がきくだろう。

そもそも、ヨーロッパの教育の伝統として、ラテン語の学び方は確立している。しかし、それはヨーロッパ系の言語が身についている人たちを対象としたもので、全く異質な言語である日本語を使う者にとってふさわしいとはいえないのではないか、と僕は感じてきたが、その答えの一つとしてこの本に出会うことができた。

ラテン語の世界 その27 慶応大のエンブレムと英語教育

先日、慶應大学の大学院生(経営学)から、一経営者(だったんだよね僕)として、研究上のアンケートを依頼された。その用紙のデザインのことだ。

しっかり、盾形のエンブレムが記載された大学所定の用紙なのである。なんだか、大学からの正式依頼みたいでしっかり「お答えいたしましょう」って気になる(権威主義も感じるが)。

盾形のエンブレムって、欧米の大学ならどこでもそれなりのものを持っているが、日本の大学ではそれほど普及していない。

やたら英語にこだわって「スーパーグローバル」!?化を目指しているくせに、こういったツールのことは無頓着のようだ。

で、そこには、なんとか大学って自国語で分かりやすく表記するが、通常、MOTTOがラテン語で別途記載される。そうしないと、普遍性のある学術性が疑われるだろう。

慶應大学の場合、

CALAMVS GLANDIO FORTIOR/ペンは剣よりも強し 

こんな具合。勉強に気合が入りそう。

大学関係者に言いたい。よくわからない名称の学部学科を乱造するより、ビシッと決まるモットーを考案し、世界に発信したらどうか。

最近まで、即戦力(とりあえず就職できる技)が教育目標のようだったが、最近はリベラルアーツだそうだ。リベラルアーツって、ラテン語を基盤とした教養の体系なんだけど、、、

以下余談。

今あるかどうかわからないけれど、ある英会話学校が、エンブレムを掲げていたそうだ。

そこには、ラテン語で!このようにモットーが掲げられていた。

VOX ANGLICA VINCIT OMNIA/英語はすべてを打ち負かす

だってさ!

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