ゲール語のテイストを学ぶ その12 ケルト語
よくある質問で、”ケルト語で○○はなんと言う?”
これは答えようがない。と、いうのは、ケルト語というのは、大きなひとくくりのグループだから。アイルランド語、ウェールズ語、ブルトン語ならうちの辞書で対応できるけど。
詳しくご説明すると、
インド・ヨーロッパ系の言語のグループがあって、その中にラテン系、ゲルマン系とかあって、その一グループがケルト系(語)。
なので、ケルト語は、英語というような特定の言語ではない。
で、ケルト系の中にも2系統あり、
ブルトン語、ウェールズ語、コンウォール語(絶滅)
と、アイルランド・ゲール語、スコットランド・ゲール語、マン島語(絶滅)がある。
一言でいえば、存亡の危機にある言語だが、かつては古代ヨーロッパを席巻したケルト人の言葉でもある。
ケルト人は、シーザーのガリア戦記にあるように、ローマ帝国に征服され、ゲルマン系に追いまくられてきた経緯がある。ケルト語の歴史をたどると、ヨーロッパ史の別の視点も見えてくる。
関連するその軋轢は今もある。北アイルランド紛争がそれだ。
ケルト語を学ぶと、古代ヨーロッパの香りがある?アイルランド・ゲール語には、ラテン語に良く似た語彙が残されているし、ラテン、ギリシャに次ぎ古典文献も多くのこされているそうだ。
テイスト的には、言葉の繋がりと発音を意識した言語である。たとえば、フランス語のような流麗さが文法の構造に組み込まれている。
アイルランドには、語り部、吟遊詩人の文化があるけれど、これはケルト語の特性に関連しているのでは?
一般に、フランス語は、ラテン系の言葉に分類されるけれど、その源をたどれば、ローマ帝国滅亡後に、ラテン語と土着のケルト語が混ざり合った経緯がある。
フランス語を特徴づけるリエゾン、アンシェヌマンなどの流れ重視の言葉の読み方は、ケルト語由来なのかも?