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入試センター試験地理Bでムーミンの言語地理学

何が何でも、英語でグローバルって世相に冷や水を加える問題である。
いきなり、一般的でない言語が三つも出たのだから。
この問題は、ムーミン→フィンランドのお話、フィンランドはスウェーデン、ノルウェーと異なる言語圏ってことを判断する必要がある。
(作者がスウェーデン系フィンランド人で、原作はスウェーデン語だなんて知ってるとかえって混乱するが)
ムーミンを知らなくても、この設問は、(小さなバイキング)ビッケも出ているので、バイキングがどのあたりの人たちかがわかれば解ける問題だ。
 
面白いのはこのあたり、設問にある三言語だ。

Vad kostar det?(スウェーデン語)

Hva koster det?(ノルウェー語)

Paljonko se maksaa?(フィンランド語)

全部、物の値段を尋ねる表現だけど、一見して異質な一つはフィンランド語だ。

あとの二つはゲルマン系の言葉なので、類似している。

ゲルマン系の言葉でもう一つあげれば、こんな具合。

Was kostet das?(ドイツ語)テイストの類似性を味わってほしい。

 

余談だが、英語も緩いゲルマン系の言葉だ。

cost=値段 で重複する。

 

「地理でアニメかよ!」

なんて、話もあるが、立派な文学作品だからアニメされたもの。

出題されたもう一つのキャラクター「ニルス」についていえば、その作者は初の女性ノーベル文学賞受賞者である。

 

奇問ではない。

 今後の入試の趨勢として、総合的に関連づけられた知識を問う例として、重要と考える。卑近な日常経験も、一歩掘り下げてみると、関係のネットワークが見えてくる。そこに、知的な発見がある。大学とは、これを形にする場であってほしい。

 

PS ただし、これらのアニメが特定の国を舞台とした、って前提の設定は厳密には表現に問題があろう。ニルスはスウェーデンの外にも旅をしている。また、ムーミンは全く架空の世界のお話。でも、最後に設問自体は、結局、”フィンランドに関する”と言い換えてもある。著作権の所在地まで問題とするか?それはしつこい。

PS2 それにしても、この大騒ぎ、ムーミンってすでに日常にはない古典なのか?アニメは昔の話だとしても、キャラクターグッズは売られ続けているのだが(フィンランドのコンテンツ産業でもある)?

PS3 (ひとりごと)いいぞ!問題考案担当者。次は、日本史で妖怪ウォッチもいい。宗教、民俗に絡めた問題が可能だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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