大人の魔法入門 その3 錬金術
日経平均が、2万円を突破した。この先、大事が無ければ意外と跳ぶかも知れない。すると、強欲な人たち、すなわち、「元本割れ」を恐れ、多額の預金を抱えこんできた人たち株式投資とかを始め、手のひらを返すように、「やっぱり株よ!」とか、錬金術の成果を誇示するようになるだろう。これが社会が妖しい魔法に翻弄されだした兆しの一つである。
このとき錬金術師の必須のアイテム、”賢者の石”があるならば、この石が危険を警告してくれるはずだ。
そもそも、金融とは、社会の制度と人の心が織りなす巨大な魔法空間なのである。
預金が一見安全に見えることも、この魔法の成果、それも強力な成果である。たとえば、株式は、刻々と取引によって価格が変動するわけで、その価格自体にはリアルな根拠がある。一方、預金は、あくまで額面であるが、そのように、制度的に決められたのでそうなのである。
いかに額面が守られたとはいえ、この魔法が、背後から破られる事態は、おおむね2ケースだ。一つは、為替、もう一つは、インフレ・デフレである。
デフレになれば、預金が同じでも、より多くのモノが買える。インフレなら、その反対。
今の日銀は、インフレに誘導しようとしているが、なかなか効果が出ないので、”劇薬魔法”で一気にカタを付けようとする傾向にある。
しかし、インフレに収支がつかなくなるのでは、と、危惧する声も大きい。
かの大日本帝国が崩壊したとき、預金、国債の価値がどうなったか、実感を持っている人は少ない。
世界情勢的に、明日までの日常と今の日常が非連続的であることは、十分にありうる。
日本の財政も深刻だ。前、日銀総裁は、「金融環境は非連続的に変化しうる」と、言葉を残して去っていった。
金融の賢者の石は、こう告げる。
先の見えることは見えないこと
守ることは攻めること
分けるは得るの始まり
破滅は機会
進むは引くの始まり、引くは進むの始まり
魔法にかからないことが、かけること
矛盾を進めば、道ができる
前を見ないで後ろを見て進め
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