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ジョージ・ソロスとその哲学 金融界の闇の帝王が復活

久しぶりに、「ヘッジファンド 世紀末の妖怪」浜田和幸 文春新書 を読み返してみた。

なぜならジョージ・ソロスが業会復帰したからである。で、中国の経済崩壊に警告を始め(中国経済に呪いをかけ)、人民日報もむきになって反論を始めている。つまり金融戦争が始まろうとしているのか。

来週の英国のEU離脱是非投票はその引き金になりうるだろう。

彼には、1992年、ヘッジファンドを率い、イングランド銀行に激しいポンド売りを浴びせてこれを屈服させた伝説がある。この勝利の結果、ヘッジファンドの利益は、10億~20億ドルと推定されている。

その背景は、当時の欧州通貨制度の縛りによる金融上の無理(ポンドが高すぎる)がその一つだ。この経緯もあって、ポンドはユーロに統合されていない。

そして1997年、タイのバーツ売りに始まるアジアの通貨危機も彼の仕業である。

この様子を見ると、今の人民元の現状はよくにている。

ただボロ儲けするだけではなく、彼には哲学がある。その哲学者カール・ポパーの思想である。彼はその直系で学んでいる。

カール・ポパーは、科学哲学の分野で知られているが、反面、全体主義の政治思想を徹頭徹尾反駁する政治性を持ち合わせている。

その代表的な著書は、「開かれた社会とその敵」。これが若きジョージ・ソロスのバイブルであった。彼の得た収益は、独裁的な国家の民主化運動家に流れているそうだが、その受け皿の名前は、「オープンソサイエティ財団」、そのまんま、だ。

統制的な経済が生み出す矛盾を突く、これがかれの投機手法の基本だが、共産党が主導する資本主義なんて彼が心情的に(かつ、利益的に)ほっておくわけがない。

実は、カール・ポパーの信奉者は、日本経済の中枢にもいる。在学中試しに司法試験を受け、合格するなどしたが、結局、その筋には関心がないらしく金融道に入り今は日銀総裁してる。

黒田総裁はちゃんと、カール・ポパーの政治思想を翻訳してもいる。その本は、「歴史主義の貧困」。これは、ただの余芸なのだろうか。

彼の金融政策とポパー主義者であることがどのようにかみ合っているか、そもそもいないのか僕にはわからない。

ただ、気になることがある。前回のサミットの会議で、うちの首相がリーマンショック並みの金融危機の到来を訴えていたが(冷ややかな受け止めとともに)、その程度はともあれジョージ・ソロスなら合意するだろう。

安倍首相の見解が、単なる消費税増税先延ばしの理由づけならよいが、黒田総裁も絡んでいるとしたら穏やかではない。

で、庶民的には、来週の英国イベントである。嵐が来るのか来ないのか。数値的には、ポンド価格、日経平均は当然だが、人民元、円、金(きん)とか、普段経済の関心のない人も、気にしておいたらいいと思う。

ついでに、日本では特段の信頼が置かれている預金・現金とはあくまで金融資産であることを再確認してみよう。

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