高尾山紀行 その5 樹上のラン セッコク
高尾山は、植生の豊富さでも知られている。それは、古い寺院の管理下に置かれ、木の伐採などが厳しく制限されてきたこと、水辺も乾いた尾根もあり、環境の多様性があることがその理由だと思う。
セッコク(石斛)は、着生ランの一種。他には、カヤランも自生しているが、見ごたえのあるものは、やはりセッコクだ。
着生ランとは、木に張り付いて育つランの種類。その独特の形態から、一部の園芸家の間ではよく知られている。
今回、撮影の機会を逃したけれど、渓流沿いの登山道6号路のセッコクは荘厳である。観察ポイントの表示まである。
一定の期間に限り、巨木が雪を被ったようにその花で覆われるのだ。
この写真は、ささやかだが、サル園近くの樹で咲いていたもの。撮影は、5月末。
通常、苔が生えるような木の枝、幹に着生する。この写真のセッコクは、地上20m木の又に着生しているが、ここ、乾きすぎない微妙なポイントなのである。
成長の遅い植物なので、これくらいの株なら、種から育って20~30年くらいだろうか。
ふもとのケーブルカー乗り場にも咲くが、こっちは植えたものだろう(実際は、植えるというより、貼り付ける)。他にもあるだろう、けど、花が咲かなくては発見は困難。
話は戻るけれど、6号路のセッコクは、なぜあれほど集中しているのだろう。暗い渓流沿いなので、空中湿度が高い点は最大理由。しかし、非常に限られたポイントでもある。
いわゆるパワースポット的な”何か”がありそうな気配である。
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