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アナと雪の女王 その3 分析心理学(ユング派)の視点

こういったファンタジー系のお話は、ユング的な解釈が向いている。以下、ネタばれ的要素があるのでご注意を。

”Let it Go”のitとは、普通に考えれば、エルサの封じられた特殊能力のことだ。これをユング的に解釈すると、コンプレックスである。

ユングのいうそれは、”強い感情を伴う複雑な無意識のしこり”、のこと。

人の心の成長には、こういった無意識の力との和解が避けられない、これがユングの視点。

実は、エルサの自我にとって脅威となる同じく無意識的な力がもう一つある。アニムスである。アニムスには、社会秩序の力といった側面があり、王族であるエルサにとってそれは特に巨大である。なんたって、王族は社会秩序の要なのだから。

エルサのコンプレックスを封じ込めていたのは、まさにこれなのだ。

エルサの戴冠式に、エルサの力が暴走を始める事件はとても象徴的である。

壊れた無意識の均衡が修復され、エルサがより統合された心を取り戻すきっかけとなったもの、それは純粋な愛であった。

なんともベタな展開だが、それをそう思わせないのがこの物語の醍醐味である。

伏線的に、王族間特有の偽りの愛を演じたハンスの役割は筋書き上立派である。

物語をかく乱させながら調整させる役割を持つ愛すべきトリックスターといえば、雪だるまのオラフ。

凍りついた世界の中で、あの炉辺の光景は印象的だ。ファンタジーによく使われる設定だが、静かに物語の重要な展開を予兆するのは、ほのかな炉辺の灯りの光景なんだね。

ほんとうの愛を語る雪だるまなんて、かえってグッとくるものがある。

かくしてエルサは、自分らしい形で王位につき祝福される。

これは、ユングのいう個性化(individuation)=心の全体性の獲得そのもののように見える。

でもね、アンナは伴侶を見つけたのに、エルサはひとりか?って、いや、完結しきれないから物語は続く、、アニメみた人のそれぞれ中で。

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