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メリダの森の歩き方 その1 ハイランド

つまり、ディズニーアニメ、「メリダとおそろしの森」記事である。

このアニメ、ディズニーのお姫様シリーズの一つなのだが、全く異色。おとぎの国の話じゃなくて、時代と場所、文化、民族性を明確に表現している。

スコットランドは島嶼地域とハイランド、ローランドに分かれるが、このアニメの舞台は中世ハイランドだ。アニメの中でも、豪快な山並みを堪能できるが、これがまさしくハイランドの風景。

写真を載せてみた。ハイランド南西部のグレン・コー(Glen Coe)だ。かすかに山腹に滝も見える。このアニメでも滝の描写があったが、たどり着けたら大したもの。

Photo

先のアイルランドの記事で、「Glen」は渓谷と説明した。こっちも、「Glen」。すなわち、同じ言語文化圏ということ。その違いは、アイルランド・ゲール語とスコットランド・ゲール語 である。

グレンコーといえば、歴史上、グレンコーの大虐殺、とくる。これは、イングランドが黒幕となってハイランド氏族間に虐殺事件を起こしたもの。

氏族(Clan)、これがこのアニメを理解するキーワードでもある。ハイランドの氏族社会って大陸やイングランドの封建社会とはかなりテイストが異なっている。

巨大家族みたいなイメージだ。メリダは王女、と表現されているが、族長の娘に近いと思う。とても、シンデレラ城で舞踏会なんて柄じゃない。

この物語は、氏族間の通婚のエピソードでもある。

メリダに求婚する男たちは、それぞれの氏族の長の長男、とされているが、その氏族は、マク・ガフィン、ディンウォール、マク・キントッシュ。それぞれ、タータンの柄で区別されている。

これ、実在の氏族だろうか、なら、タータンも本物の柄だろうか、と気になっているがまだ調べていない。

ところで、氏族名の「Mc(マク)」だけど、ゲール語の「息子」が元の意味。つまり、始祖から始まる血縁が意識されている名前(姓)だ。この点でも、大家族性のテイストが伝わると思う。

氏族間で、戦争したり、協力したりややこしいのが氏族社会なのだが、このように中央集権化できないところが、ケルト人の伝統?でもある。

個々の武勇はスゴイのだけど、なかなか組織化できないので、古くはローマに敗北し、英国では、イングランドに制服されてしまうわけ。

この歴史を知ると、氏族間に和解を求めるメリダの叫びは、より痛切に響くことだろう。

最後に余談、

このサイトで最も読んでもらっている、「アイルランドの歌 Mo Ghile Mear(モ・ギレ・マー)」

の記事なんだけど、この歌の背景は、ハイランド氏族社会の壊滅である。その結果を一言でいえば、「近代化」。

僕としては、戊辰戦争の会津状況と重なって見える。

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