アイルランド極上の夏 その9 古い墓地
ドネゴール(Donegal)で道に迷っているうちに、古い墓地に行き着いた。このあたり、アイルランドでも北のはずれに位置し、その風景も寒々としている。
アイルランドで道に迷ったら、それは何か不思議に出会う予兆かも。詩的に表現しよう。地霊の導き、とか。
後の巨木は、イチイの樹だ。これは、墓地の象徴とされる。さて、手前に石が立っている。人工物である。が、極端に風化している。
何かといえば、十字架である。アイルランドの十字架といえば、壮麗なケルト十字架が有名だが、これは特に古い初期の素朴な様式だ。特定の墓ではないだろう。かつての特別な信仰の場であった証と考えるべきと思う。
実に古い。十字形がかすれるほどの年月とはどれほどだろう。おまけに、後から付け足したのだろうが、石の塚まで供えられている。
誰もいない荒野で、古代人の残したメッセージに向き合う瞬間。これがアイルランド旅行の醍醐味の一つ。
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