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シャムロック(Shamrock)のこと

それは、アイルランド国花であり、雑草であり、日本でもあっちこっちに生えていて、でも神聖で、実在の植物でありながら、かつ伝説の植物でもある。

ウィキペディアでは、クローバーの類なんて書いてあるが、大雑把すぎて間違いだ。

そして、現物はこれである。日本名コメツブツメクサ。学名Trifolium Dubium。英語名の通称は、Lesser Trefoilまたは、suckling Clover。

Shamrock

もうすぐ、聖パトリックの日なので、この草が話題になる。「ツメクサ」の類には、シロツメクサ、アカツメクサが日本でも知られているが、これはずっと小型で花の色は黄色。

その葉は、十円玉に収まるほどの大きさ。葉のつき方がシロツメクサとは異なっている。また、シロツメクサは、葉と葉柄が直角だが、これは、ほぼ水平、また茎がはっきりある。

この写真はビジュアル性を考えて、薄緑色を保ち柔らかく育てたもの。野外で生えているものは、もっと雑草らしい。

なんでこの植物がこれほど有名になったかといえば、パトリックが三位一体説の象徴に使ったとされているからだ。

つまり、父(神)、子(キリスト)、聖霊を三つの葉にあてはめた。多分一番先が神なのだろう。

余談だけど、この三つのパワーがあるから、聖書の物語展開がダイナミックになると思う。

そもそも西洋思想史上、3はとりわけ意味のある象徴で、ギリシャに始まり、ヘーゲルの正反合の弁証法、そしてこれがマルクスにも受け継がれている。

なんとも大げさな数である。この草は、たまたまその葉の形からアイルランド国花まで格上げされてしまった。

細かいこというと、クローバーのように完全な放射状ではない点もよかったのだろう。

ところで、学名が謎なのだ。

Trifoliumは、Tri/三つ Folium/葉、なのだろうからそのまま分かる。が、Dubiumは「疑惑」。なんだろうね。この由来。

エピソードを一つ。

僕自身、最初はシャムロックの実物なんて知らなかった。アイルランドの野原で痩せて貧相なクローバー?を摘んで現地の人に聞いてみた。

その答えは、「違うよ、クローバだね。そいつは四葉を見つけるといいことあるよ。」

へー、明確に区別しているんだ。さらに絞込みを。

その後、イギリスの植物図鑑で文献上はっきり確認できたわけだが、現物を見たのは、三浦半島の海岸で、次は千葉の九十九里浜。それは、一面のシャムロックの大群落で地面が黄色に染まっていたのであった。

で、直近は、自宅から20m先の宅地造成地。一種の汎神論ですな、これは。

てなわけで、聖パトリックの福音は、沈黙のメッセージとして日本でもそこら中に届けられていることが確認できた次第(帰化植物によくある話でもある)。

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