プラトンとレスリング
今日の日経新聞、「春秋」をネタに書く。
昔昔、ギリシャのアテナイに肩幅の広い立派な体格の少年がいました。この少年の素質に目をつけた体育の先生が、レスリングを教えたところ、めきめき上達し、レスリング大会で優勝するまでになりました。
彼はやがて哲学の師匠も見つけました。この師匠とは、名だたる歴戦の勇者でもありましたが、政争に巻き込まれ、処刑されてしまいました。
当時、彼は文芸の道を志ざし、演劇の台本を書いていましたが、この事件から一転して哲学者になり、後世に多大な影響を与え続けます。
彼のあだ名はプラトン。この名前は肩幅の広さにちなんでいます。
プラトンといえば、教科書的にイデア、もう一つキーワードをあげるなら、「調和」だと思う。レスリングの逸話からすれば、肉体と精神の力動的調和だよね。
オリンピックとレスリングの問題はさておき、この観点からすると、柔道界と体罰問題かな。
武道の道は、精神性の表現のはずだけど。
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プラトンの本名はアリストクレスですよね。プラトンが目指していたのは、悲劇作家ではなくて、政治家だったのでは?ソクラテスの悲劇を見て、政治家を諦めて、哲学者になったと記憶しているのですが、どうでしょうか?
投稿: 呼戯人 | 2013年2月14日 (木) 21時15分
呼戯人様、いつもご指摘ありがとうございます。彼の本名平凡ですね。
以前、どっかで読んだんです。ソクラテスの刑死で、演劇の原稿焼き捨てたって話。青春のエピソード的な話です。
今、手元にあった資料(哲学物語、W.デュラント)では、民衆への憎悪から、「哲人政治」志向が始まったとされています。
いずれにせよ、凄く人間臭い話です。
投稿: 管理人 | 2013年2月15日 (金) 10時15分