« 完ぺき主義者の思考法 | トップページ | 魂の和む古本屋 »

モーツァルトと犯罪抑止

最近の重大事件といえば、おぞましい尼崎連続変死事件。例の角田被告の居住空間の映像など見ていると、それはまさに俗悪の極みだが、一方、なぜかモーツァルトの曲を想起してしまった。

いわば心の補償作用。両者は、全く対極の心象世界だから。

そういえば、半ば都市伝説化している話がある。ニュージーランドの街角のこと、BGMとしてモーツァルトを流したら犯罪が激減したという。

単純に感覚的に考えてみると、悪事をするにはあまりにミスマッチのBGMと思う。また、モーツァルトは、犯罪性の高い人たちの文化とも隔たっている。なんとなく居心地が悪い、と感じたりもするだろう。

では、数あるクラシックのなかで、なぜモーツァルトなのか。

たとえば、ベートーベン。彼の作曲原稿ときたら、ぐちゃぐちゃの書き直しが、これでもかってある。つまり、努力の人なのだが、その曲には実に人間的な情念が込められているように思う。

それはそれで、魅力なのだが、俗なものからの超越度はいまいちじゃないか。その点、モーツァルトに嫉妬し対抗意識を燃やし続けたサリエリの例をあげれば理解しやすい。

モーツァルトの作曲のプロセスは異様だ。書き直しなしで交響曲が書きあがる。どこか別の世界に途方もない音楽の源があって、モーツァルト自身はただの媒体みたいに感じる。

まるで、新プラトン主義の流出説そのまま。これほど俗なものを超越した音楽はない。これが、ポイントなのかな。

じゃ、バッハ(しつこい?)。といえば、「羊たちの沈黙」のレクター博士の例が出てしまうが、長くなるのでやめにしよう。

« 完ぺき主義者の思考法 | トップページ | 魂の和む古本屋 »

心理学」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。昔、小林秀雄の「モーツァルト」を読んでいて、音符が雲の形をしていると言っている部分があり、自然が生み出す天才の音符はやはりまた自然の形をしているのかなあと思ったことがあります。人の心に雲のように語りかけ沈静化作用を持っているのでしょうか?小林秀雄って面白いことを言いますね。

ありがとうございます。実は、小林秀雄を読まずして、モーツァルトを語ることに負い目を感じていたのですが、補っていただきました。
また、「自然」と表現してくださいましたが、この場合、エリウゲナ的「自然」を感じます。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/448947/47753299

この記事へのトラックバック一覧です: モーツァルトと犯罪抑止:

« 完ぺき主義者の思考法 | トップページ | 魂の和む古本屋 »

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ