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2012年10月

完ぺき主義者の思考法

幼い子どもを持つ親なら、「この子は何で、こんな些細なことにこだわるのだろう?」と、いらだつ経験が日常にあるだろう。

こういったこだわりは、自ら「完ぺき主義」に悩む人たちの原点なのかも知れない。

完ぺき主義とは、裏を返せば、自分の思うことを、そのままの形で、すべからく実現されなければならない、と考える思考法だ。

もちろん、そうなら結構なことだ。しかし、自分の都合で世の中回っているわけでないし、自分の能力、気力も限界がある。ある意味、鬱になりやすい人とは、心的エネルギー配分に無駄の多い人である。

つまり、ねばならない、とすることに無理があるわけで、これを努力目標にすればいい。

また、こういった人は、他人にも自己基準を強要する傾向があるが、そうすると自己中心性もはっきりしてくるだろう。そして、他人といろいろ軋轢が発生してまた悩む(お気の毒)。

もう少し深く考えてみよう。

誰だって、優先課題があり、またどうでもいい課題がある。だから、時間と労力の配分が大切なのだ(そもそも、本人がどれほど見極めているかも問題なのだが)。

しかし、大人の複雑な社会生活上、この仕分けはなかなか難しい。究極的には、価値観の序列を自分なりに構造化することにいきつくと思う。これは、かなり抽象的な作業であり、「個人哲学」みたいなものだ。

通俗的だけれども、そのためには、堅めの本を読む習慣があったらいいと思う。思考力を自分なりに練り上げるみたいな意味で。これを、実のある教養と呼びたい。

応用的にも考えてみると、これはビジネスにも参考となるだろう。

資産と人材を適正に配分できず、あっちだ、こっちだ、付け焼刃の対応に翻弄されている企業もあり、

反対に、明確な経営理念があり、この抽象的な観念が、その資産と人材、さらに机の上の物の置き方まで構造化できている企業もある。こういった企業は、何を捨て、何を得るか、判断にブレもない。

幼児の経験世界 自然採集民の喜び

今日の保育園は、異様な興奮に包まれていた?というのは、恒例の芋ほりの日だから。

用意(芋ほりグッズ)はちゃんとしているか、と親が反対に指導を受ける始末。それほど楽しみなことらしい。

植え付けには関与していないから、自然採集に近い。ターゲットはもちろんサツマイモなのだが、土の中から小動物が出てくるのでそれも楽しみらしい。

人類史のほとんどは自然採集民としての歴史だ。つまり、こういった行為は、人間の本性(human nature)に根ざしているはずだ。

だから苦労があっても面白くて仕方がない。自然採集がつまらなかったら、とっくに淘汰されていたことだろう。

共同作業があって、成果を分かち合う。これも、人間の社会の原点。保育園児の世界でさえ、教え、教えられ、また作業の分業もある。

漁業や農業に従事している人が、やたらにうつ病になるか、って実例を聞いた事がない。

確かに、人間は、非常に適応性に富む生き物ではある。が、それでも限界がある。この観点から、今どきの”文明”を考えてみてもいいだろう。

秋の夜長はティマイオス その2

朝っぱらからうちの娘が、食事の支度をしている僕を呼びつける。「虹が出た!きれいだよ」なんじゃそりゃ?

秋になると、日の傾きの加減が変わって、新たな現象もおきる。つまり、水槽に微妙な角度で日光が差し込み、水槽がプリズムとなって、日の光を虹のトーンに変えたわけだ。

雑多な日常空間に、虹というのも、超越的なエピソード。さらに、跳ぼう!

そこで、新プラトン派(偽ディオニシウス)のテキスト(神名論)から、

「美は、全てのものを自分の方に呼ぶので、カロス(ギリシャ語で”呼ぶもの”)といわれる」

ティマイオスは、現代でいうところの物理学、天文学を扱うプラトンの著作である。そういえば、ヒッグス粒子とか、最近は物理学のネタもよく報道されるようになった。

しかし、現代物理学の”遅れた”点の一つは、人の心と物質世界との関連性にあまり配慮していないことにある。

人間の生き生きとした個人的経験が、コスモスとしての宇宙の秩序に関連づけられること、このことにプラトンは気づいていた。そして、これは、今も残された先鋭的な知的課題である。

余談、

参考として、新プラトン主義についてこんな本もある。

美と光 西洋思想史における光の考察 熊田陽一郎著 国文社

槙原敬之「アイルランド音楽紀行」の感想

最近、TBS.Ch.で放映された企画の件。アイルランド音楽入門的にも、印象はよかった。音楽の土壌にそれなりに焦点が当たっていたと思う。

紀行物としても、ダブリンから、ゴールウェイ、イニシュ・モア島なら外れはないはず。イニシュ・モア島の小学校訪問がハイライト・シーンだろうけど、彼の音楽性と今一つかみ合わない点が少し残念だった。

個人的には懐かしい映像だった。ゴールウェイは、初めてアイリッシュ・フルートを手にした場所だ。そして、イニシュ・モアでは、ティン・ホイッスルも。古代要塞、ダン・エンガスは驚きだった。とにかくここは、遺跡の宝庫。

アイリッシュ・ダンスにチャレンジ、この企画もいい。テレビで放映されたものは、ケイリー・ダンスの様式で、最近の興行的なアイリッシュ・ダンスと異なり、いわゆるフォーク・ダンスに近いもの。要は、気軽にみんなで楽しむものだ。演奏が生でなかったのは、、惜しい。

彼の泊まった民宿、荒野の中にポツンと立っているそれだが、ここ僕も泊まった(と思う)。民宿のおばちゃんが元気でよかった。この人は、アイルランド初心者の僕を、よくもてなしてくれた。

番組では、ほとんど焦点が当たっていなかったけれど、イニシュ・モアはアイルランド・ゲール語最後の拠点みたいなところだ。

小学校の部屋の壁には、ゲール語表記がいろいろあったけれど、子どもたちは分かりやすい英語を話していた。日常はどっちなのだろう。

アイルランドであっても英語の優越性は仕方のないことだが、立派なバイリンガルであってほしい、これは外国人の勝手な願い。

一番、印象深かったシーン、それは古い廃墟の教会だ(僕は訪問していないが)。こういった場所はアイルランドによくある。古いものほど、パワー・スポットかも。

(別の場所でイメージ写真)

Photo 彼の話では、今でも結婚式に使われることがあるという。真実を誓うには最適の場所?

だから、廃墟とはいえ、今でも、華やぐときがある。アイルランドなら、楽器持ち寄りが結構普通だ。

宮古島紀行 その11 仮面来訪神パーントゥ

先の記事で書いた。宮古島ではとりわけ水源地が重要であり、そこは聖なる場所である。とすると、時には、何かがそこから来るのでは。

(以下の写真は博物館で)

Paantoo

地域の祭り、パーントゥ・プナハの主役はパーントゥ(Paantoo)である。島尻集落のそれは、原始の力みなぎるなんとも強烈ないでたちである。。「ピンギレー(逃げろ)」と叫びながら、3人出る。

秋田のナマハゲなど、文化的に洗練されすぎ?って気もする。

泥まみれ、着ているものは、ボサボサのつる草、仮面をつけ手には杖を持っている。そして、やたらに人々に泥を塗りたくる。

赤ん坊だって容赦はしない。というか、聖なる泥なので、むしろ優先だ。

泥、そこがポイントだ。なにしろ、ンマリ・ガー(生まれ井戸)の泥だからだ。

独特の臭気があるらしい。無数の有機物が分解してできたような。

それは、集落の命の根源であり、自然そのもの力に通じている。そして、年に一度、新たに人々に命の源を分け与える役目をこの来訪神は担っている(僕の解釈)。

本来の役目ばかりでなく、最近では、島の観光産業にも彼らは貢献している。パーントゥ・グッズは数々ある。ほかにはないお土産といったらまずコレだ。

以下、冗談。

東京の電車内に複数のパーントゥが乗車したら、、。大混乱になるだろうね。ほとんど、環境テロだ。しかし、そこには、自然とのつながりを再確認せよ、ってメッセージになるかも。

さらに、追記

2012.10.10 TV報道によるとパーントゥが昨日出現した。泣き叫ぶ子どもたちに祝福を。しかし、パーントゥのすっぴん顔まで放映されてしまった。

だめだ、興ざめ。自分の顔にも泥を塗らなくては。

ところで、この祭りの詳しい開催日は毎年土地の古老が決めるそうだ。月の満ち欠けとか、複数の要因があるのだろうか。それは、パーントゥ祭りの謎の一つ。

幼児の経験世界 至高の体験

保育園の迎え時間、毎日繰り返されるドタバタの時間帯である。先週もT君の母親が途方に暮れていた。

早いもので、この前までハイハイしていたT君も、すでに走り回る時期となった。なにしろ嬉しくてたまらないのだ。靴を履かせようにも、暴走が止まらない。

ある日、立ち上がる瞬間、本人が記憶していることはあり得ないだろうが、親としては劇的なエピソードである。

子どもは、何これ???、って顔をするだろう。しかし、大人たちが「おぉ!!」と、どよめき、拍手したり、カメラを探したり、そういうわけで子どもとしても、何かスゴイことした、と理解し「エッヘン!」と得意な顔をしたりする。

そのうち、子どもは、歩き、走り回る、で、登る、これが心配の種である。

幼児期は、こういった、いわば”至高の体験”に満ちている。

大人的に学ぶべきことは、それ自体が絶対的に楽しい、ということだ。

つまり、誰かに勝る、儲かる、さらにはいい気味だ、とか邪念がない。

わざわざ、子ども還りすることはないけれど、少なくとも”それ自体が絶対的に楽しい”ことが時にはあること、これが心の健康上、大切と思う。

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