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ラテン語の世界 その6 宇宙観とキリスト教

これは今後、並列する宮古島紀行とも関連する話で、人間にとっての宇宙の感じ方について。

たまたま、辞書でこんな表現を見つけた。

hoc omne templum これ、そのまま”宇宙”の意味。説明は後ほど。

ギリシャ、ローマは西洋文明の源であるが、ローマ時代の途中以前と以後では相当に違っている。”ローマ時代の途中”ってヘンテコな言い方だが、要はキリスト教の影響のことだ。

それ以前は多神教の時代。自然界のいろいろな側面が、神様のイメージと結びついていた。たとえば、イギリスのバース。ここの世界遺産は、いわずと知れたローマ時代の公衆浴場。今もホカホカ湯気が立っている〔入浴禁止〕。

しかし、銭湯のように俗ではない。

複合的で巨大な遺跡なのだけど、これ神殿付きだ。日本的にいえば、温泉保養は自然の恵み、神様のご利益ってわけ。事実、沢山のお賽銭が発掘されている。これ、文字通りの意味でお賽銭なんだ。

ところが、ある歴史の節目からお賽銭が少なくなっていく。理由は、単純明快、新興宗教キリスト教の影響により、温泉の神様を信じる人が少なくなっていくからだ。

キリスト教の文化的影響の一つは、自然物から神聖さ、崇高さを剥奪する点だ。

イメージ的に、癒しの温泉を湧き出す大地そのものが神だったわけだけれど、キリスト教の神は一人だけだし、宇宙のすべてはこの神が創ったってことなのだから、神様の作り物を崇拝するなんておかしいって話。

モノはただのモノでしかない。と、キリスト教は、ある意味とてもドライな宗教なんだ(だから近代科学の母体になりえた)。岩や巨木にしめ縄を巻く日本の神道的発想とは真逆だ。

で、先の言葉。キリスト教以前か、以後か明快だろう。

丁寧な訳では、”この万物の神殿”となるはず。

templumは、英語のテンプルの語源で神殿。あと、omneが万物の。hocがこの。

万物、かっこよくいえば森羅万象だから、それだけでも宇宙、しかし神殿でもある。なんというか、世の中のすべてがありがたい神様の顕現みたいな、汎神論かつ汎心論がこの言葉の背後にある。

多分、古代人はみんなこんな感じだとおもうけどね。スゴイ星空とか見たら、今の人でも多かれ少なかれこの感性がよみがえると思う。その反面を考えると、人間の身の程を知れ、ということだろう。

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