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サボテンが語る人間の難しさ

もし「未経験だが、サボテンを育ててみたい」と尋ねられたら、コイツを推薦したい。

とにかく、強い。水を控えめにして、日によく当てること。これだけで、毎年初夏に沢山花をつけ、秋には赤い実をつける。うちの娘はこの実を使って、ママゴトを楽しんでいる。

松霞という名前も風雅だ。まるで古き良き日本の原風景。

Photo

なんでうちに来たか、といえば長い話になる。

ある実業家がいた。業会では名の知れた名士だった。独力で事業に成功し、自社ビルまで建てた。

しかし、性格的に難しい人だった。後継者もなし、家族もなし。事業が不調になっても一切何も変えようとせず、人の忠告も聴かなかった。

認知症の兆候が出始め、社内は散らかったまま、いくら人を雇っても、従業員はすぐに辞めていった。

殺伐とした環境の中で、かろうじて生きてきたのがこのサボテンだ(助けを求めているように感じた)。こういった事業所にありがちなことだが、植物たちは今何が起きているかを如実に語るものだ。

かろうじて5ミリの芽がまだ青かったので、ここだけもらいうけた。そして6年後、育った様子がこの写真。

老人ホームの担当者に呼ばれ、最期に社長ご本人にお会いしたとき、彼女はほとんど話すことができない状態だったが、かろうじて言葉を聴くことができた。

「いい気味だと思っているでしょう」

正直にいえば、残念な必然、そして「人間って難しい」ってことだ。

このサボテンを観るたびにこの社長を思い出す。もっと方策はなかったのか、とも考えるが、答えはまだ見つからない。

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