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お盆と祖霊信仰

世の中、旧盆モード突入につき、少し書いてみる。これほど社会的影響力のある行事であるにもかかわらず、なかなか説明しにくい行事ではないかな。

たとえば、外国人に説明するとして、非常に難しい。第一級の教養問題である。だって、クリスマスはイエス・キリストが生まれたお祝いです、、って感じに端的に説明できない。

これは仏教か?広い意味でそうだろう。けれど、仏教の数ある経典を探してみても、行事の成り立ちを説明できないからだ。この点は、オリジナルの仏教にさかのぼるほど、希薄になる。

日本のオリジナル仏教といえば、たとえば東大寺。ここには、墓さえない。つまり、祖先を祭ることさえ、本来は仏教の範疇ではない、といえる。

もともと土着の何かがあって、仏教的脚色を加えていった、と考える方が自然だ。宗教民俗学者の五来重は、これをズバリ祖霊信仰と呼んでいる。

それは、明確な輪郭をもたない、教義もはっきりしない宗教以前の何かなのだが、おそらくは有史以前から受け継がれてきたものだろう。

五来重によれば、道祖神も祖霊信仰の形態の一つとされている。そうすると、日本の文化のとても広大なビジョンが広がるよね。

さて、新盆という言葉がある。去年のお盆以降に亡くなった人たちを、新しい祖霊として特段の配慮で迎えるわけだ。

今年は、震災があって、とてもたくさんの人たちが亡くなった。突然の災害なのだから、生き延びた家族に伝えられなかった言葉がどれほどあるのか計り知れない。

供養の作法はともかくとして、伝えられなかったメッセージに、耳を傾ける気持ちがあれば、まさにお盆の本質に触れていることだろう。

「おかげさまで、なんとか、まだまだ至らないことは多いけれど、がんばってます」と応えることができるなら、これが最高の供養ではなかろうか。

僕自身、応えるべき人たちはたくさんいる。

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