老いの心理学と知的サプライズ
かの松尾芭蕉が、俳諧師としての総決算、すなわち「奥の細道」の旅に出たのは、40代の半ばである。江戸時代の常識からすると、40代が隠居を考える時期でもあったらしい。
また、藤原定家の日記、「明月記」では、40歳ころから、こんな老人になった、みたいなことをグダグタ書いている。
歴史社会学的には、40代から老人のカテゴリーに入るらしい(ゲェ!)。
今は、高齢化社会であるからとんでもない?っていうけど、こんな話も聴いた。
「40歳以降は外科医の腕(手術場面)が落ちる」、これベテラン看護師さんの言葉だけれど、生理的に集中力とか低下するのだろうね。
つまり、どんな時代だろうと、生物としてのヒトの基本は変わらないということだろう。
僕が見ていて思うのは、(多くの場合)発想の切り替えがこのころから次第に、難しくなるように思う。それなりに社会的地位も高くなれば、プライドも高くなり、他人の意見を素直に聴けなくなることも多い。だから定年にはそれなりに意味がある。
って、愚痴っぽくなったけど、個人的に高齢者の多い会議に出ることが多いからだ。NPO関連なんかそう。かつて!偉かった人たちが、世の中のためにと大義名分を掲げているものだから、話が全然まとまらない。そのうち、いい年してけんか始めちゃったりする(やたらに怒る認知症のタイプもある)。
どの道、だれでも年をとるわけだが、できればカッコイイ老人になりたいもの。その処方箋はいろいろあるだろうけど、このブログで提案するのは、知的サプライズである。
それは、「へぇーそーだったんだぁ!」と素直に足元からモノの見方が変わる体験である。誰でも、子ども時代は、この体験に満ちていたでしょう。
そのネタは、路傍の雑草の中にあるかも知れないし、古本屋の哲学書の中にあるかも知れない。というわけで、このブログは、その発掘に努めています。
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