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大震災とエピソード 誇りと名誉の社会学

ある週刊誌の言葉に、(地元警察官が)津波を背に仁王立ち、とある。この度の震災に対し、多くの献身的な人々の活躍が、世界の注目を集めた。

津波を背に避難誘導を続けた警察官は、多くの人命を守ったはずだ。他にも、守ったものがある。それは、地域住民として、そして警察官としての、名誉である。

名誉とは、古風な観念である。前近代的ともいっていい。たとえば、日本の法体系を考えてみるとよく分かる。近代的な観念、人権には周到な配慮がなされているが、名誉という言葉はほとんどない。刑法に少し記載がある程度。ただし、人権+αみたいな位置づけである。

本来、名誉とは、共同体的、身分的な基盤から発生する観念である。平等や個人主義といった理念からは導き出せない。

しかし、共同体の存続を守る立場にある人たち、制服組の公務員など、個人性を留保することが求められる人たちにとって、この観念は今も重要だろう。

自尊心、これはちょっと違う。今どき、自尊心の高い人は多いが、どちらかといえば、怒り、文句をいうことで、自尊心は発揮される。しかし、名誉、誇りのある人は、黙して行動するものだ。

僕たちは、ある意味名誉なき時代に生きている。近代的な社会とはそういうものだ。いわゆる無縁社会とは、この延長にあるのだろう。だから反面、名誉に殉じる人たちはいっそう輝いて見える。

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