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漢方の薬草学 附子(ぶし)あるいはトリカブト

漢方薬の処方を受けた。真武湯と補中益気湯である。看護師から、「この薬(真武湯)、最初は様子を観ながらゆっくり飲んでください」と説明を受ける。

「おお!」っと思う。真武湯は附子を使っているからだ。つまり、トリカブトの根から抽出したコンテンツである。漢方が特段マイルドなんてことはない。こういった激烈な毒草もそれなりの加工をして使っている。

アイヌが熊狩り(弓矢)に使った植物といえば、効力のイメージがつく。つまりヒグマも倒せる。蜂蜜にトリカブトの花粉が含まれていたため中毒事件がおきた例もある。

余談。附子はブスの語源であるらしい。トリカブトの毒で苦しむ人の表情→ブス、のようだ。おぞましい語源である。だから、ブスなんて言葉、軽々しく使ってはいけない。

基本的には、神経系に作用すると考えればいい。とはいえ、神経の具合でなく、胃腸の具合が問題で処方を受けたわけだが、このような包括的な処方をするのはいかにも漢方らしい。

普通の胃薬なら、胃酸の調節とか、胃の粘膜の保護など直接の作用をピンポイントで目指すが、漢方はかなり違う。先の記事でパラダイムについて述べたが、漢方も一つのパラダイムといってよい。医学部の基本的教育体系から見ても、別物である。

では、実体験。心臓がバクバクなら困るが、頭がポワンとした感じになった。神経にもヒットしているが、これくらいなら問題なし。また、体が温かくなった。これは、補中益気湯のせいもあるだろう。

あと気がついたことは、詳細かつ広範囲の問診。これも漢方である。つまり、その人なりの体質を一定のカテゴリーに当てはめ、処方を決めるからだ。だから、症状→薬とすんなりいかない。一般の医学も、個別のその人(媒介変数といえるだろう)を無視するわけにはいかないが、漢方ではこの比重が大きい。

応用として、僕のもらった処方をみれば、分かるひとなら、それだけで僕のプロファイリングが十分可能である。

この辺の見たて方も含めて漢方なのであって、ただ漢方薬、あるいは漢方薬を構成する生薬の一部を取り上げて漢方なんていえない。また、現代中国の中医学も漢方とは別物である(歴史上、根っこは同じだとしても)。

さらに余談。かのホグワーツ校。スネイプ先生の薬草学にもトリカブトが取り上げられていた。その他の薬草についても、調べてみると面白いだろう。創作も含まれるものの、結構、基本的なことが押さえてある。西洋の薬草学、魔術と、東洋のそれとは別物であるとしても、ネタは似たりよったりだ。

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