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大阪2幼児虐待死事件について 正義をシンプルに考える

この事件がいかにおぞましいか、いろいろ事実が明らかになっているが、別な角度から考えてみたい。

たとえば、路上で大人が子どもに殴る蹴るの暴行をしている状況があるとして、とりあえず「やめろー!」と言う。「うるせーうちの子の躾だー」と相手が答え、暴行をやめない。そこでこの親をぶっ飛ばして、暴行をやめさせる。

これは度が過ぎないかぎり正当防衛である。いちいち刑法の難しいこと抜き、アンパンマンだってやってることだ(ちゃんと警告してパンチしている)。

ところが、子どもを勝手に保護したらまずい(誘拐だ)。この親子が家に帰ったら、続きがありそうでも、民間人のできることには限界がある。本来は、児童虐待防止法に基づき、児童相談所が対処することになる。

ところが児童虐待防止法は極めて使い勝手の悪い法律である。改正されたとはいえ、プライバシーや親権に配慮し、非常に煩雑な手続を踏むことでやっと、強制保護を実行できる。端的にいうと、いかにやむを得ないことであるかを、裁判所に立証しなければならないからだ。だからなかなか実例もない。

どっかの独裁国家(国家=正義)ではないから、国家(行政)が家庭に踏みこみ、子どもを奪い取る(保護する)ことが簡単にできても困るが、まだ現状ではバランスが悪いように感じる。いわば絵に描いた餅的法律である。

実務上の負担も大きい。膨大な調査、書類が必要になるだけでなく、立てこもる両親相手に、特殊部隊(児童相談所職員+警察)が突入し、救出するような事態もありうる。

事実、最初の事例(20年12月)はこれに近いものだった。父親は鉄棒をもって立ちはだかり、母親はドアチェーンをして抵抗した。なんとか説得のうえ(行政はやさしい?)、ゴミの山の中にうずくまる子どもが救出されている。

今回の事件では、親が徹底抗戦したわけでなく、そもそも家にさえろくにいないことが問題だった。だから、とりあえず親に連絡をとり、子どもがだれかを確かめ、、、、なんて法令に定める手続が定石どおり進むわけがない。公務員だから、法令に従う必要があるとはいえ、これではあまりにバカ正直である。

結局、異臭がするからということで、警察が動き、おぞましい光景が明らかになる。そこには夏の最中、冷房も食料のない部屋の中で、膨大なゴミの隙間で裸(暑かったろう)の姉弟が汚物にまみれ寄り添っていた。3歳の姉なら、弟を最後まで気遣っていたはず。

だれかの子どもが泣き叫ぶからといって、いちいち警察の出動を要請する必要はない。よくあることだ。しかし、ベランダまでゴミが溢れる家の住人の精神状況(先の件でもゴミだらけである、これは重要な指標だろう)は容易に察しがつく。そこに、幼い子どもがいるとしたら、どんな扱いを受けているか。その他異常なことが相当あるだろう。通常、常軌を逸したことが起きる背景は、けっして突然ではない。

「警察官職務執行法」という短い法律がある。この法律によれば、警察官が保護しなければならない者として、適当な保護者が見当たらず、応急の救護を救護を必要とする者があげられている。これは、実にシンプルな正義の実現である。アンパンマンが日ごろ行っていることだ。これにもう少し想像力+連携が欲しかったと感じる。

アンパンマンだって誤解があるかも知れない。はずれだったらどんな責任があるだろうか。こんな事件が実際あった。

夜間、男にまとわりつかれた女性がいた。そこに、空手を習っている英国人男性が通りかかった。この男女の出来事は、飲み仲間の戯れに過ぎなかったが、女性は、この英国人男性に「ヘルプー」と叫んだ。この瞬間、英国人の強烈な回し蹴りが炸裂し、結果、男は頭を強打して死んでしまった。

裁判の結果、英国人男性は無罪。寛容過ぎるという世論もあったが、それなりの状況が斟酌されたのだろう。これに比べれば、それなりの状況下で他所の家の扉を開けることなど何でもない。

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