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妖精について その4 バンシー

ハリー・ポッターの学友、シェーマス・フェネガンにとって、最も恐るべき存在はバンシーだとされている。

バンシー=Bean Sidhe(Banshee)。ゲール語でBeanは女、Sidheは妖精だから、妖精女が直訳。バンシー遭遇譚によれば、その姿は日本の幽霊画のそれと似ている。ただし、足付き。

アイルランドのバンドが日本で公演したとき、演奏曲としてバンシーの紹介があった。”これはゴーストの曲です”。ゴーストなんですね。フェアリーとは言わなかった。姿もそうだけど、妖精化したゴーストと考えれば分かりやすい。

(余談、バンシーという曲は、妙に明るい8ビートのダンス曲である、かなり定番)

だから、ファミリー系妖精というべきか。人里離れた荒地に棲むようなタイプではない。伝承によれば、人の死を、泣き叫ぶことによって、その家族と縁者伝えるために現れる妖精とされる。家族といっても、それなりの家系であることが必要。バンシーが憑いている家なら名家であるし、立派な人の死なら他家の仲間に応援を頼むのか、ぞろぞろ来るそうだ。

遭遇したらそりゃ怖いが、わざわざ泣いてくれるなんて律儀である。イェーツによれば、海外在住のアイルランド人のもとにも現れたり(妖精の海外出張か)、馬車を道案内して、危篤の人のもとに導くといった例をあげている。

おまけに、自分の憑いている家族に敵対する家族の場合には、泣くどころか、わざわざ勝利の叫びをあげることもまでしてくれそうだ(やりすぎか)。

僕がシェーマス・フェネガンの先生だったらこういう。

「しっかり勉強して、将来沢山のバンシーに泣かれるほど立派な人生を全うせよ」

バンシーから学ぶこと、それは、人間、惜しまれて死ぬことが肝心である。

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