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坂本龍馬の育った環境~封建主義再考

その家族は、酒造業、衣類販売業、貸金業など多角経営のファミリービジネスを営む裕福な一族で、国学の素養を持ち、茶道をたしなみ、和歌を詠むことを楽しんでいた。娘の一人は、ピストルの射撃まで趣味(今だったら大変だ!)。その弟は、革命家となり、若くして暗殺された・・・

って、どこの国の家族かといえば、土佐の国、坂本龍馬の実家である。これは、今日の日経新聞、企業広告内の記事(津本陽さん筆)を参考にしている。

武家でもない近藤勇の実家が剣術道場経営をしていた話もあるが(おまけに苗字・帯刀、いいのか?)、龍馬の実家はもっとすごいのだ。

NHK大河ドラマもそうだが、江戸時代=身分制度によって人々がひどい抑圧を受けていた受難の時代、というのは建前を本気で信じているにすぎないのでは。確かに、坂本家は下級武士として上級武士に頭を下げなければならないようなことがあったろう。しかし、下級である分、自由な経済活動が許されていた側面もある。これが格式の高い上級武士だったら商売なんてできない。つまり、身分的な不平等があるからといって、当然に経済的な格差があるわけではない。

言い換えれば、封建主義社会とは、身分に応じた経済的な保障のある社会である。少なくとも、江戸時代のような完成された封建主義社会ではそうだ。おまけに、武士の身分を買うことさえできた。身分を買えば、身分に応じた義務、禄高が決まる。

勝海舟の父はこうして御家人株(後、旗本株まで値上がり)を買っている。また、龍馬の盟友、岩崎弥太郎の家では、一旦売った郷士身分を買い戻しているが、相当な身分でない限り、こんなことは結構普通のことらしい。

武士の身分まで株式のように売買できるのだから、いっそのこと脱藩してフリーランスで商売をしようなんて武士がいてもおかしくないが、これをやったのが龍馬。しかしその経営資金は土佐藩からしっかりせしめている(窓口は岩崎弥太郎)。

幕末に活躍した志士の多くは下級武士である。おそらく当時としては、これが”おいしい”身分といえるのだろう。公的権威の裏づけ、経営者的環境、教養水準の高さ、自由度のバランスが取れているからである。

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