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新社会人のためのプラトン主義入門 その3

会社に入ったら知らないことだらけだ、だからうまく質問するにこしたことはない。新入社員の特権は、知らないことがあたり前ということ。普通、教える側も悪い気がしない。ところが、ポジションが上がったり、年をとるほど素直な質問がしにくくなるものだ。でも、立派な人は、自分の限界をわきまえているはず。知ったかぶりで恥をかくなんてしない。

自分が何を知らないか、ちゃんとわかっていることを「無知の知」という。プラトンが描くソクラテスは、このことをとても重要視した。ソクラテスのライバルと描かれているのがソフィスト。それは知者という意味。本来悪い意味じゃない。ソフィステケートなんて言葉もあるが、ソフィストは自信満々で登場する。

プラトンの著作のハイライトシーンの一つは、ソクラテスとソフィストたちの火花を散らすディベートだ。この場合、自らの知をよりどころにするソフィストに対し、ソクラテスは「無知の知」を使って対決する。

どういうことかというと、相手は知者を標榜するのだから、こっちは無知に決め込む。そうすると、主張の根拠を証明するのは相手だ。つまり、相手に先手の攻撃をさせ、質問で反撃するのがソクラテス流。証明責任を相手に振ると、それだけでとても有利なのだ。

もちろん、勝った負けたの問題ではなく、こういったやり取りを続けていくことにより、より本質的な問題が明らかになっていく。だから哲学なんだけど、これがプラトンの意図。

トラブルは、お互いに心を開いて、譲り合いの気持ちで解決しましょうって、そういけばいいのだが、世の中、そうはいかないこともある。会社だったら、悪質なクレーマーに狙われることだってあるだろう。そんなとき、テクニック上、ソクラテス流の対処方が役立つこともある。

そのポイントは、

不明確なことをはっきりさせる的確な質問の切り返し

主張や要求をする者が、その根拠を明らかにしなければならないという前提を守る

こんなところだろう。

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