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幕末と武士の教養(岩崎弥太郎の伝記から)

最近、執筆の仕事に関して、坂本竜馬と岩崎弥太郎について調べたのでそのおまけを少し。

岩崎弥太郎とは、三菱財閥の創始者である。近代経済人の先駆けであり、坂本竜馬と関連も深い。実際のところ、史実とNHKの竜馬伝は、かなり違っているけれども、竜馬の海援隊がなかったら、三菱はなかっただろう。これはかなり確実である。

その辺のことは置いて、この弥太郎という人、最下級の武士であるが、勉強家である。それも、当時の武士としての基本、つまり儒学、漢学を高名な学者のもとを渡り歩きながら学び続けている。

当時は経営学なんてなかったから、あくまで教養を極めたわけだけれど、漢文で自在に論述ができたらしい。とりわけ自作の漢詩は相当なものだったようだ。実業家としての彼は、豪腕独裁経営者であるが、若いころは立派な詩人でもある。特段、彼に限ったことではなく、詩ぐらい書けなければまっとうな武士として様にならないといった風潮はあったと思う。

彼にとってこういった教養は立身出世のための強力なコミュニケーションツールでもあった。幼年時、藩主に詩を献じるなどのエピソードに事欠かない。一方では役人批判の漢文で獄中生活も経験している。が、その中で、同房の商人から商法を学んだとも伝えられているから、彼の勉強ぶりは筋金入りだ。

ところで、この平成の世の中、サムライとか武士道とか見直されている?ようだが、その中身はよく分からない。この点、幕末の熟成された封建主義社会の中での、武士たるものの教養水準を考えてみることは有益だと思う。

このごろ、就職難のせいもあり、大学まで実学志向を強めている。しかし、本当の時代の転換点には、教養がものをいうのでは。幕末の人たちの生き方を調べていると、教養の厚みの深さを感じないわけにいかない。

この場合教養とは、今はどんな時代なのか、自分とは何者か、では何を指針として自分は生きるのか、についての答えである。

これは、どの道基本的に大切なことだ。たとえば、就職面接にだって応用できると思う。自分がなぜこの会社を希望したか、自分の生き方の筋書きができていれば応答に困らないはず。もちろん、状況に合わせて的確に伝えるコミュニケーション力も必要だが、これも教養問題。

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