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クリスマス・キャロルを読む

書庫を整理したらディケンスのクリスマス・キャロルを見つけた。昭和41年版、80円で買った古本である。クリスマスも近づいたので、ちょっと読んでみることにした。

当時の英国、ロンドンが舞台である。日本でいえば幕末にあたる。当時のロンドン市民の生活の描写がリアルであるが、まぎれもないファンタジーでもある。

強欲意地悪老人、主人公スクルージは、共同経営者の幽霊に会い、警告を受ける。これから3人の精霊が彼を訪れるのでしっかり回心せよというのだ。

コンテンツ的に、こういった超自然の存在が出現する点でファンタジー文学なのだが、主題的にもファンタジー的だ。人間にとって幸福とは何か、こういったベタな問題をストレートに扱う点は、ファンタジーらしさだと思う。

ところで、この話の中でスクルージは生身の人間なのだが、こういったキャラクターは日本の昔話にも登場する。つまり、個性を超えて普遍的な存在をディケンスは描いている。この点、スクルージ自身も、ユング的な観点からすると現世のものではない、原型(アーキタイプ)的な要素を多分に含んでいるといえる。

とすれば、ユング的には、スクルージは私たちの心の奥底の住人でもある。こういったわけでも、この物語は、世代を超えた普遍性を持つものだといえるだろう。だからいつの時代にも、リメイクされ映画にもなるわけだ。

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