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生命について

健康診断に行った。初めて訪れた病院だったが、産科のある病院だったので、元気な赤ん坊の声で一杯だった。「がんばって生きろ!」と応援したくなった。

生物学者R.ドーキンスの本にこんな言葉がある。

「あなたの祖先のうち、子孫を残さず死んだ者はいない」

理屈上、あたり前のことだが、この言葉、深い。今生きているすべての命は、すべての生命の始原から数億年続く過酷なサバイバルの結果である。ドーキンスは、改めてこの事実に注目している。私たちの祖先は、とにもかくにも生き延び、今の私たちを残してくれた。

魚類や爬虫類のレベルだったら、卵を残して完了、というわけだが、哺乳類、まして人類だったら子どもの養育の様子にもイメージが浮かぶだろう。

歴史上、あなたの先祖がどうやって生き延び子どもを育てたか、イメージできたとしたらとても劇的なものであるはずだ。自然災害、飢餓、戦乱など、そのすべては想像を絶すると思う。子ども手当がもらえるとかもらえないとか、とてもそんなレベルではない。東京大空襲の最中であろうと、沖縄の地上戦の最中であろうと、生まれて育った子どもはいるはずである。

もし気軽にライフスタイルの選択として、非婚を選ぶとしたら、罪深いことではないだろうか。近代的な個人主義は、一見ありがたいもののように見える。しかしことさらに個人を際立たせると、生命の流れと深みを無視する思想にもなりうる。

ただ、ヒトの場合、哺乳類の中でもとりわけ出産だけでもリスクが大きい。不測の事態が発生しやすいので、アメリカ的な訴訟社会では産科は格好の標的になってしまうようだ。これは、本来のヒトの出産リスクを考えれば、とても野蛮な状況ではないだろうか。”産婆”とは、生物としてのヒトの根本に関わるので人類史上最も古い職業の一つである。格段の配慮が必要だと思う。

ところで今日の日経新聞によると、産科医10年ぶり増。がんばって続けてほしい。

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