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文明と文化の違い

文明ネタでもう一つ。

これは一つの切り口であるが、文明と文化の違いとは、普遍性の問題に関わっている。たとえば私たちの使う漢字。これは東アジアで広く普遍性がある。だから文明の産物である。また私たちはひらがな、カタカナも使用している。これは日本固有のものであるから、文化だ。もう少し見方を変えると、一つの文化体系を共有するものが民族であるが、文明とは民族を超えたものでなければ文明といえない。

明治以降、日本は西洋の文明を導入したので、アルファベットも広く使われている。英語ばかりでなく、広くヨーロッパ系の言語に通用できる。アルファベット表記をローマ字とも呼ぶが、まさに源はローマ文明につながっている。だから、平均的な日本人なら、なんと古代ローマ帝国の言葉、ラテン語も一応読むことができる。意味までよく分かる人は少ないが、これが文明のすごいところだ。

ところが、世界にはもう一つ大きな文明があるが、それはイスラム文明である。イスラム文明が私たちに縁遠く感じるのは、私たちが西欧化しすぎてしまったからだろう。また、イスラム文明は極めて境界がはっきりしていることも大きい。それはイスラム教徒による文明だからだ。古いイスラム系の大学をみるとよく分かる。イスラム神学科、イスラム文学科、イスラム法学科というぐあいに、コーランとアラビア語を基礎に知識体系が包括化されている。これぞまさしく文明なのだが、むしろ完成されすぎの感がある。

とはいえ、あまりに西洋基準で物事を考える日本人にとって、イスラム文明はもう少し注目した方がよいだろう。そうすると、西洋文明との付き合い方も見直すことができるし、自分たちの固有の文化もよくわかる。

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