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アイルランドに亜麻の花の咲くころ

うちのシャムロックが花盛りだ。亜麻(リネン・フラックス)も咲いている。

アイルランドの象徴としてのシャムロックは宗教的な意味そのものである。ただ、花はほとんど問題とされない。その三つ葉がキリスト教のオーソドックスな教義=三位一体を表現した聖なるものとして重要なのだ。

この点リネンは、もっと実際的。アイルランドの地場産業として、リネンの生産があるから。そういえば、去年のアイルランドからのクリスマスプレゼントはアイリッシュ・リネンのテーブルクロスだった。

リネン(Linen)つまり亜麻は、「亜麻色の髪の乙女」といった表現がなされるが、それは繊維としての亜麻であり、亜麻の花は薄青色が主である。アイルランドでは7月ころ咲く。アイルランドの彩りは緑に限るべきではないと思う。リネンの青もその一つに挙げたい。

繊維としてのリネンと花としてのリネンは別物だ。かつて、アイルランド中央部、ミース県で一面花盛りの亜麻畑を見た。このころのアイルランドといえば、白夜に近い。昼でもない夜でもない長い長い黄昏時の時間がある。この妖しい時間帯に、薄青色のリネンの花が地上にたなびく霞のように広がって、天と地の境目も茫々としていた。

夜と昼の境目は、この世とあの世の境目とイメージされるもののようだ。日本で魔性のものに出会う時間とされるように、ある伝承によれば、アイルランドでも妖精に出会う時間とされている。このとき、妖精に出会った記憶はないが、束の間の妖精の贈り物を目にすることができた。黄昏時のリネン畑を見るだけでも、十分に妖精の賜物だと思う。

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