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アンドリュー・ワイエスのこと

ワイエスは僕の好きな画家だ。というと、僕のHPを知っている方なら、笑って納得するだろう。ただし、最近更新をしていないので、HP自体が廃墟になりつつある。

昨年の暮れ、アンドリュー・ワイエス展を都内で見たが、今月16日にワイエスは亡くなったと新聞記事で知った。91歳の大往生である。

落ち着いた色彩が僕の感覚になじむ。そして材質感のリアルさに圧倒される。また、廃墟めいたものにストーリーを織り込む画風もとても好きだ。

以下4作品をご紹介。

「クリスティーナの世界」は代表作。野辺を這いずる女性から劇的な印象を受ける。これは彼が数十年かけて描きつづけたオルソン家のストーリーの一コマだ。大邸宅(オルソン・ハウス)が主を失い、廃墟となっていく姿をワイエスは追い続けた。このクリスティーナの墓石を描いた絵もあるとは知らなかった。

「幻影」(Revenant)は、若き日のワイエスを描いた作品でもあり、またオルソン家の過去の追想でもある。オルソン家の開かずの間を空けた際、大きな鏡に映った自分の姿を描いたというもの。その姿は、過去の住人たちの幻影でもある。

「そよ風」(Fair Wind)は、裸婦を描いたもの。窓から差す日の光がまばゆい。ワイエスが裸婦も描いているとは意外だった。古びたがらんどうの木造の建築物と、窓からの風に髪をなびかせる女性の生命感が強烈なコントラストを演出している。

「火打ち石」は海岸の岩を描いた作品。あたかも永遠を象徴するような巨岩と、浜辺に散らばる海の生物たちの痕跡(カニの甲羅など)が、対比されている。神話的なイメージが感じられるが、それは、巨岩を敬う古代人の畏怖の念に関連するだろう。

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