エンヤのこと
今年紅白に、エンヤ(Enya)が登場するらしい。これを記念して、エンヤのことを書いてみよう。
私は、彼女自身には会ったことがないが、彼女の故郷の村で彼女の父には会ったことがある。彼女の郷里、アイルランド、ドネゴール県のグィドー(Gweedore)に、父であるレオ氏のパプを訪ねたからだ。このあたり、どんなところかといえば、1時間車を飛ばして、出くわしたものは羊の群れだった。そんなところである。
その夜のイベントは、レオズナイト、つまりレオ氏がアコーディオンを弾きながら取り仕切る音楽イベントだった。あらかじめご挨拶をしておいたら、はるばる日本からの来客として村人たちに紹介をしてくれた。何かやれとのことであるので、手持ちのアイリッシュ・フルートを演奏してみた。畏れ多いことに、レオ氏が伴奏してくれた。
ダウンバイ・ザ・サリーガーデンズを演奏してみた。観客たちは、少しづつ唱和してくれたので、やがて大きな合唱となっていった。すばらしかった。誰もが一つの歌を歌うことができる場、今の日本にそんな場所があるだろうか。今、日本では、世代や階層によって、歌の文化はズタズタに分断されているのだ。
グィドーのあたり、日本でいえば津軽半島の山の中のようなところだ。ただし、ただの田舎ではない。この村をあたりには、エンヤをはじめ、世界中でCDを売ることのできるミュージシャンが輩出している。
これは驚異的なことだと思う。しかし、この夜、僕はその理由がわかったように感じた。大地にガツンと音楽の文化が根ざしているからだ。大地の力を借りて、人々は音楽を創造する。エンヤの故郷とは、そんなところなのだ。

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