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A.N.ホワイトヘッドのこと

A.N.ホワイトヘッドは、私が長く関心を持っている哲学者。

元数学者、英語で書かれた最も難解な哲学書を残し、プラトンの正当な後継者でもある。

以前、大学の哲学科の学生たちと、晩年の著作「観念の冒険」の原書にチャレンジした思い出があるが、ものスゴイ重い手ごたえを感じた。

解説書もいろいろ読んだが、先週買った「ホワイトヘッドの哲学」中村昇著、講談社メチエはすぐれものだ。面白い!かつ原書の100倍のスピードで読める。この解説本の著者は、21世紀をA.N.ホワイトヘッドの世紀にしたいそうだが私も同感。

彼の哲学の効用は、生きた宇宙を感じさせてくれること。この世の森羅万象のとてつもない深みを知らせてくれることだ。つまり、生きることに退屈しない。

彼の「有機体の哲学」にとって、夕雲の茜色、ミツバチの羽音、雨上がりの土の香り・・・私たちが経験するもろもろの事象は、個人の主観的経験を超えたリアルな「できごと」なのである。

今日生まれた新生児が初めて感じた初々しい「この世」のように、大人も驚きと畏敬でもってこの世を体験できないのだろうか。

このビジョンは命の織物でもある。かつてケルト人の修道士たちが描いた万物が紡がれる文様といってもよいし、密教僧が描く「胎蔵界曼荼羅」といってもいい。

ホワイトヘッドはウェールズ系だったそうだ。ライバルであるB.ラッセルとの思想の違いを出自で説明することは実に乱暴であるが、このブログの趣旨からしてこの点、少しコメントしてみてもいいだろう。

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