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2007年10月

アイルランドが貧しかったころ

今日の日経夕刊に作家の柴田翔さんが、エッセイを書いている。45年まえのダブリンのことだ。表題は「重層的ヨーロッパ」、パリやロンドンではないもう一つのヨーロッパを発見したという意味だ。

たまたま知り合った人から宿を紹介されるエピソード、多くの物乞いたちの姿。この心象は僕も分かる。アイルランドにはじめて行ったのは13年ほど前だが、まだ物乞いは多かった。

物乞いに応じると、その老婆は僕の袖をしっかりつかみ、僕のために神様に対し祈りだした。ひとりぼっちの旅行者にとって驚きと心強さを感じた一瞬だ。おかげで初めての海外旅行は幸運に恵まれたように感じる。

最近、アイルランド人の平均年収は日本人を超えた。最近のユーロ高の中でアイルランドを旅行すると、少し情けない気になる。何もかもが高い。

一方、街が小奇麗になり物乞いも見なくなった。その分アイルランドが失ったものがあるのかも知れない。豊かになっても、”ただの”ヨーロッパの国にはなってほしくないと思う。

地球寒冷化

「不都合な真実」を観た。特定の観念を、とことん教えこもうとする展開に少し驚いた。何とか主義国の政治的プロパガンダ映画や新興宗教の教育ビデオのような匂いを感じる映画である。つまり考えさせる余地を極力排除し、定められた結論への導く筋書きが、あらかじめ出来上がっている。

本来この手の映画は、主義者あるいは信者獲得のために本来タダで見せられるものであるが、この映画は一応商業ベースに乗っている。この点もスゴイ。

地球温暖化の最大原因を述べたい。これはよく知られた地球史的真実であるから、あえて言うことがはばかられるが、すなわち氷河期が終わったからである。本来人類という種は、氷河期の狭間に咲いたあだ花のようなものなのだ。この点を謙虚にわきまえたほうがいい。

ジーン・アウルの「エイラ-地上の旅人」(集英社)シリーズは、氷河期の終わり、すなわち人類の黎明期を生きた一人の少女の物語である。この中では現在知りうる限りの科学的地知見とフィクションを織り交ぜ、原始の人類たちの姿がネアンデルタール人を含め詳細に描かれている。この本に紀元前3万5千年前にヨーロッパの地図が掲載されているが、アイルランドを含め、ヨーロッパの北部はすっぽりと氷河に覆われている。現在豊かさを享受している先進国の多くは、氷の下だ。

人類の始まりはこのような状況だったのだ。最近の温暖化の影響により、農産物の収穫が増えているようだが、再び寒冷化が始まれば、人類にとって飢餓が恐るべき真の脅威になるだろう。

今なお、地球上の多くの人が事実、飢えている。一方で、恵まれた”地球にやさしい”人たちは、穀物を自分たちの車に食わせるため(燃料用アルコールを作るため)、熱帯雨林を壊滅させ、車に食わせる穀物作りをするように貧しい農民たちをけしかけている。

もし自分の世代に、氷河期がくると思うなら、まず「エイラ」に学ぶことだ。なぜなら人類は振り出しにもどることになるから。農業を知らず、石器の加工から生活の全てを調達する技がこの小説に再現されている。

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