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聖者と学僧の島

これは本の題名です。「聖者と学僧の島」とは、すなわちアイルランドのことを意味しています。翻訳本で、著者はトマス・カヒル(Thomas Cahill)、翻訳は森夏樹という方です。そして青土社から出版されています。

大変骨太な本です。原題が強烈です。How the Irish Saved Civilization 直訳すれば、いかにアイルランド人は文明を救ったか となります。アメリカの社会でアイルランド系の人たちは白人の中でも下に置かれている、とよく言われています。その意味でこの題名は極めて挑発的です。これほどアイルランド系の自尊心をくすぐる表題もないでしょう。

内容は、ローマ帝国の末期から始まる歴史書ですが、ケルトの民俗・神話、詩や中世思想への言及も多くなされています。しかし、中核となる論旨はとてもシンプルです。

ローマ帝国の滅亡によりヨーロッパは暗黒時代に突入した。しかし、ローマの支配下になかったアイルランドはこの混乱を免れ、ローマの文化を保護、吸収し、暗黒のヨーロッパに再度文明をもたらせていった・・・と、こういうものです。

具体的には、カール大帝の神聖ローマ帝国、これが文字どおり文明の再興、中世の始まりとなるのですが、その影にはアイルランド人の学者たちが多大な貢献をしたという例があげられます。この時期がアイルランドの黄金時代といってもよいのでしょう。

ちなみにこのブログの題名の中にある、「エリウゲナ」はこの黄金時代に活躍した最も著名なアイルランド系哲学者の名前から採りました。

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